2019年6月10日
ベネッセi-キャリア 村嶋 孝夫 新卒事業本部 西日本新卒ソリューション事業部 部長
20年卒の採用は、経団連の倫理憲章が4年目を迎えたことと1dayインターンシップの広がりで、多くの企業が夏のインターンシップを強化し、早期に優秀層を囲い込む動きが進みました。学生も志望企業・業界の夏のインターンシップを業界・職種研究の場としたため、2月以降は大量エントリーせず、企業・業界を絞り、就活を行う学生が増えました。
夏のインターンシップで多くの学生動員に成功した企業は順調に選考を進め、3・4月で内定を出しています。また学生は夏から就活を行っており、就活疲れや満足感から早期就活終了者が増え、過去の「大量にエントリーする時代」から変化が起きています。
その背景には売り手市場もありますが、ナビサイト以外のサービス認知が広がり、プロの視点を取り入れたり、企業と学生の接点が取りやすくなったことが挙げられます。特に「ダイレクト・リクルーティング」は企業がほしい学生にオファーしてピンポイントにアプローチできることから、採用工数が削減されます。学生にとっても興味のある企業からオファーが届き、特別ルートで選考に進めることも多いため、双方にとって「効率的」で、今年に入りサービス利用が増えています。
6月に入ると経団連企業の選考が本格化しますが、他にも母集団に苦戦した企業が採用を再開する可能性が高く、学生も早期に業界を絞ったことによる内定先不安や内定無し学生が動き、採用第2の波が来ることも考えられます。学生が多くの企業にエントリーし、説明会に参加する可能性は低く、第3者の意見を聞き、効率的に企業を探す「エージェント活用」が増えることが想定されます。
一方、企業は20年卒の傾向から夏のインターンシップに向けて21年卒採用の準備に取り掛かるため、人と時間を割くことができず、「新卒紹介」のような効率的サービスの利用が必要になります。学生の行動に対して企業は採用をどのように変化させていくのか。多様化する採用手法の適応が採用成功のポイントとなるでしょう。
配信元:日本人材ニュース
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