2020年5月18日
厚生労働省が「過重労働解消キャンペーン」で、長時間の過重労働など労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施した重点監督の実施結果によると、約4割の事業場で違法な時間外労働が行われていたことが分かった。
2019年度の過重労働解消キャンペーン(11月)で監督指導を実施した8904事業場のうち、違法な時間外労働を確認したのは3602事業場(全体の40.5%)だった。
業種別で違法な時間外労働が最も多かったのは「製造業」で885事業場。次いで「商業」が848事業場、「接客娯楽業」が386事業場と続いた。
その他違反内容は「過重労働による健康障害防止措置が未実施」(1832事業場、20.6%)、「賃金不払残業」(654事業場、7.3%)など。
違法な時間外労働があった3602事業場において1カ月当たりの時間外・休日労働が最長の者を確認したところ、913事業場(25.3%)が月80時間超、537事業場(14.9%)が月100時間超、110事業場(3.1%)が月150時間超、23事業場(0.6%)が月200時間超となっている。
◆違反事例
各種情報から時間外・休日労働が1カ月当たり80時間を超えていると考えられる大企業の事業場に対し、立入調査を実施したところ、労働者31人について、1カ月80時間を超える時間外・休日労働が認められ、そのうち1人については、36協定で定めた上限時間(特別条項:月99時間)を超える1カ月100時間以上の違法な時間外・休日労働(最長:月162時間)が認められたほか、2カ月平均80時間を超える違法な時間外・休日労働も認められた。また、常時50人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、衛生管理者及び産業医を選任していなかった。(小売業)
若者の「使い捨て」が疑われる中小企業の事業場に対し、立入調査を実施したところ、学生含むアルバイトについて、無効な36協定により法定時間外労働を行わせていた。また時間外・休日労働時間が1カ月45時間を超えていた。社員については、出退勤簿への押印のみで労働時間を把握していなかった。(飲食店)
配信元:日本人材ニュース
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