就職面接で人がやらない『10のポイント』

 【シリーズ「面接の目的」】

就職面接で人がやらない『10のポイント』

グループディスカッションの目的

シリーズ「面接の目的」 【3】

グループディスカッションの目的

就職活動の最大の関門である「面接」にどのように対応するか。
かつては就職活動をしていたインソースの社員から集めたノウハウを公開いたします!

これまで2週にわたり、一次面接から最終面接までの、選考のポイントをQ&A方式でお送りしております。
3週目の今回は「グループディスカッションの目的」です。
            

■【お悩み】ディスカッションがどうしても苦手!
   
グループディスカッションが苦手です。
面接だとうまく自己PRできる自信があるのですが、グループディスカッションではどのように振舞ってよいのかわかりません。司会をやって、やる気をアピールしたり、自分の意見ははっきりと伝えるようにしていますが、不採用になってしまいます。
一体どうしたらよいのでしょうか。


■【回答】ディスカッションは仕事で必要だから重要

最近はグループディスカッションを選考に取り入れる企業が主流です。これは、実際に社会人となった際には、毎日のようにディスカッションが行われ、業務が進行していくからです。

ということは、仕事上のディスカッションでどのような態度が求められるのか、ディスカッションを行うことにどのような意味があるのかを考えることが、グループディスカッション突破の鍵となります。

         
■どうしてディスカッションが必要なのか

会社で働くということは、人の間で働くと言うことです。会社の仕事は、一部署一担当だけで動かすことはできません。
  
どんな仕事であっても、会社では周りの理解、そして時には協力が必要となります。その理解と協力を取り付ける場がディスカッションなのです。

では、理解と協力を取り付けるディスカッションを成功させるためには、どのような能力が必要なのかを考えてみましょう。


■ディスカッションで必要とされる能力

ディスカッションで必要とされる能力には、以下のものが挙げられます。

・問題を構造化させる力 ⇒ 問題の焦点を明確にする
・論理的思考力 ⇒ 議論を展開させ、周囲を説得する力
・リーダーシップ ⇒ 議論を結論へ導く力(意見をまとめる力)
・コミュニケーション力 ⇒ 参加者の声に耳を傾ける力/自分の意見を伝える力
・チームマネジメント力 ⇒ 他の意見を殺さず、グループをまとめる力
・調整能力 ⇒ 異なる意見、反対意見などを汲み取り、調整していく力

これらの能力を(全てでなくとも)バランスよく発揮することが求められます。

強力なリーダーシップがあったとしても、反対意見を真っ向から攻撃するような論理を展開する学生は不合格になります。

採用のためのディスカッションでは、おなじグループのメンバーとは今後会うことはほとんどありませんが、これが会社ならば、今後も人間関係は続いていきます。

また、前回の「二次面接の目的」でも、ビジネスの現場では複数の能力が求められることをお話しました。ひとつの能力だけでは、現場で起こる様々な問題に対応することができないからです。
このことからも、グループディスカッションでも、バランスのよい能力のアピールが不可欠なことは明白でしょう。
    
■「司会役は高ポイント」/「自己主張が大切」は間違い?

よく「グループディスカッションでは司会をやると有利だ」「自己主張をしっかりして、アピールしなければ受からない」という声がきかれますが、実際は必ずしもそうとは断定できません。

確かに司会を務めたり、意見を言うことは、「やる気」をアピールするにはうってつけですが、先ほどの述べたように、ただ強引に進行して他の意見を潰すようなことをしては逆効果です。

それよりも、主導権はとらなくても、「他の意見を汲み取り論理的に議論を展開できる」能力や、「相手に配慮しつつ、自分の意見を伝える」能力が評価されます。

ビジネスの現場でも、それぞれに見合った役割があります。全員が自分の意見を押し通したりすれば、ディスカッションは混乱します。

昔から「船頭多くして、船岸へ上がる」といいますよね?

むしろ、様々な意見が飛び交う中、「Aさんの言っていたことは、○○ということだよね。Bさんはさっき△△と言っていたけれど、Aさんの意見に対してはどう思いますか?」とディスカッションを取りまとめたり、問題の焦点がずれそうな時に軌道修正する能力は高評価を得ます。

「司会役」だけが、議論をコントロールする方法ではありません。
自分の意見を論理的に述べる力に合わせて、上記のように「司会役」以上の集団をまとめ、議論に積極的に参加する方法を身に付ければ鬼に金棒です。
 

■ディスカッションは「参加する」ことが大前提

ここまで、主に周囲を考慮したディスカッションの進め方に重きを置いてお話をしてきました。

しかし、グループディスカッションで一番問われるのは、やはり参加意欲です。実はこれは、自分が口を開いているとき以外にも現れるものです。

よく自分の意見を言ってしまうと安心して、ディスカッションに参加しなくなってしまう学生がいます。

面接官はこのような学生に対しては、「参加意志なし」との評価を与え、不合格とします。

人間の口と耳の数は、耳の方が多いですよね?この数に表されるように、社会では自分の意見を述べる以上に、周りの声に耳を傾け、吸収していくことが求められます。

逆にはじめは知識がなくても、吸収したものを考え、自分の意見に落とし込むことができれば、高く評価されます。

例えば「Jリーグの産業としての危機を救うには」という題目が用意され、Jリーグに関する知識がなかったとします。

そこで「もうわからないから今回はダメだ」と諦めるのではなく、わからないのならば、周りに質問をするなどして知識を得、自分なりに論理を展開するのも参加の一つの形です。実際に、このようにして合格した学生も存在します。 

それに常識的に考えて、「私には関係ない」という顔で、人の話を聞き流している人と一緒に仕事をしたいとは誰も思いませんよね。

「聞く姿勢にも参加意欲は現れる」
 
これはディスカッションにおける最低限のマナーとしても忘れないようにしましょう。


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