「学生」と「社会人」の違いを考えるワークで身につける「社会人としての考え方」
新人向けビジネス基礎
1.社会人としての「第一歩」を踏み出すには
社会人は、周囲から「自立した一人の大人」という扱いを受けます。例えば、親の扶養者ではなくなる、賃貸の名義人となるなどが挙げられます。
つまり、今までに比べて自身の行動に対し負う責任が大きくなります。
学生から新社会人として第一歩を踏み出すには、まず「マインドセット」をしておくことが大切です。マインドセットとは、「社会人になったという自覚」を促すことです。
マインドセットをきちんとしておくことが、社会人としての行動変容と今後の働き方やキャリアに対する考え方の軸につながり、働くうえでの基盤となるのです。
2.冒頭のワークを通し、社会人になったことへの自覚と責任感を持っていただく
ビジネス基礎のテキストでは、最初に「学生と社会人との違いを考える」ワークを実施します。
学生と社会人では、さまざまな違いがありますが、受講者の皆さまに最も意識して頂きたい違いは、2つあります。
1つは、「自身の行動が与える影響の範囲」です。
学生は、自身の過失に対し、学生個人の評価や信頼に影響を与えます。一方で社会人は、自身の過失が組織全体の評価や信頼にまで影響を与えます。
この責任範囲の大きさの違いを意識し、自身の行動一つひとつに責任を持つことが重要です。
もう1つの違いは、「周囲から求められる立場」です。
学生は、さまざまな知識や教養を学び身につけることが求められる立場です。一方で社会人は、身につけた知識やスキルを活かし、組織に貢献する「成果」を出すことが求められる立場です。
つまり、社会人としての自覚とは「組織の一員として、経営や事業拡大へ関わっていると認識すること」であるといえます。
3.働き方にも、「組織の一員」という認識が重要
先にも述べた通り、「社会人としての自覚」とは、組織の一員という認識を持っていることです。
組織の一員としての働き方とは、すべての仕事に対し、前後の工程があることを踏まえて動くことです。自身の仕事には、自身の手元に来るまでに関わった方と手元を離れたあとに関わる方がいます。
その点を踏まえていることで、前後の工程を担当する方へ配慮した仕事の進め方を促し、組織にとっても個人にとっても、よい人材が育っていきます。
「学生と社会人の違い」ワークは、研修の冒頭に実施します。グループ毎に意見を出し合い、講師が自身の体験などを織り交ぜながら、この2つの違いをしっかり意識できるように落とし込んでいきます。
テキスト内のワークシートに書き込めるようになっていますので、後から見直すことも可能です。
冒頭に自分たちで考えた「社会人としての自覚」を原点として、常にそこに立ち返りながら研修を進めていきますので、理解が深まり、翌日からの行動変容につなげることができます。