2019年4月17日
人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、3月の転職求人数は前年同月比2.7%増、転職希望者数は同18.1%増となった。
求人数は前月比0.1%減、前年同月比2.7%増、転職希望者数は前月比1.7%減、前年同月比18.1%増だった。求人数は調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した2月から横ばいとなった。
求人倍率は前月比0.04ポイント増、前年同月比0.32ポイント減の2.17倍だった。
例年3月は翌年度に採用予定の募集が数多く出るため、求人数は増加の傾向が続いていたが、今年はそれほど増えなかったことが微減の要因となった。
転職希望者数も年度末の繁忙期の影響などで前月比98.3%と減少した。転職希望者数の減少幅が求人数の減少幅に比べて大きかったため、求人倍率は0.04ポイント増加した。
業種別にみると、求人数の前月比は8業種(その他を含まない)のうち「IT・通信」、「メディカル」、「小売・外食」の3業種で増加した。特に伸びたのは、「小売・外食」(前月比7.6%増)、「IT・通信」(同6.0%増)。
「小売・外食」では、コンビニエンスストアやチェーンの飲食店でスーパーバイザーや店長候補などのマネジメントに関係する仕事の求人が増加した。
「IT・通信」では、システムインテグレータやWebサービスで採用が活発化しており、求人数は前年同月比でも107.9%と特に増加率の高い業種となった。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
小売・外食 7.6%増
IT・通信 6.0%増
メディカル 2.1%増
商社・流通 1.6%減
金融 1.7%減
メーカー 1.8%減
サービス 3.6%減
メディア 5.4%減
その他 0.9%減
職種別では、求人数の前月比は11職種のうち「技術系(IT・通信)」、「技術系(メディカル)」、「技術系(建築・土木)」、「専門職」、「販売・サービス系」の5職種で増加した。特に伸びたのは、「技術系(IT・通信)」(前月比5.7%増)、「専門職」(同4.0%増)。
「技術系(IT・通信)」では、業務系アプリケーション、インフラエンジニア、Webサービス系のエンジニアの採用が特に活発となっている。求人倍率はほかの職種に比べ特に高いため、システムインテグレータを中心に未経験者を積極採用する企業が見られる。前年同月比でも111.8%と求人数が伸びた。
「専門職」では、受注量の増加に対応するためビジネスコンサルタントの増員を図る企業が増えているほか、不動産の運用・管理の求人数も増加した。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
技術系(IT・通信) 5.7%増
専門職 4.0%増
技術系(メディカル)0.6%増
技術系(建築・土木)0.4%増
販売・サービス系 増減なし
事務・アシスタント系1.1%減
クリエイティブ系 1.8%減
技術系(化学・食品)2.5%減
企画・管理系 3.1%減
技術系(電気・機械)3.1%減
営業系 3.2%減
今後の転職市場についてパーソルキャリアでは、「3月の求人数は最高値の更新こそしなかったものの、99.9%と横ばいで過去最高水準を維持したまま新年度を迎えた。中途採用に積極的な企業が今年度も非常に多いため、4月以降の転職マーケットも求人数が高止まりの状態がしばらく続きそうだ」と分析している。
配信元:日本人材ニュース
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