2021年7月12日
個々の労働者と事業主との間の民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数のすべてで、「いじめ・嫌がらせ」が引き続きトップとなっていることが、厚生労働省の「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」で分かった。
令和2年度の労働者と事業者との間の労働条件や職場環境に関する総合労働相談件数は129万782件(前年度比8.6%増)で、13年連続で100万件を超え、高止まりとなっている。
総合労働相談の内訳は、「法制度の問い合わせ」が87万5468件、「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」が19万961件、「民事上の個別労働紛争相談件数」が27万8778件となった。
民事上の個別労働紛争の相談件数を相談内容別にみると、「いじめ・嫌がらせ」(7万9190件)が9年連続でトップ。次いで、「自己都合退職」(3万9498件)、「解雇」(3万7826件)、「労働条件の引き下げ」(3万2301件)が多かった。前年と比べると、「解雇」等に関する民事上の個別労働紛争が増加した。
個別労働紛争の相談者は、労働者が83.2%と大半を占め、事業主からの相談は9.9%となった。
相談対象となる労働者の就労形態は、「正社員」(36.0%)、「短時間労働者」(14.2%)、「有期雇用労働者」(11.2%)、「派遣労働者」(5.3%)となっている。
労働局長による助言・指導の申出件数は9130件(前年度比7.5%減)で、相談内容別にみると「いじめ・嫌がらせ」(1831件)が8年連続でトップ。次いで、「解雇」(962件)、「労働条件の引き下げ」(897件)、「自己都合退職」(736件)が多かった。
紛争調整委員会によるあっせんの申請件数は4255件(前年度比18.0%減)で、相談内容別にみると「いじめ・嫌がらせ」(1261件)が7年連続でトップ。次いで、「解雇」(983件)、「雇い止め」(427件)、「労働条件の引き下げ」(313件)が多かった。
配信元:日本人材ニュース
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