「仕事が楽しみなら、人生は極楽だ!仕事が義務なら、人生は地獄だ!」これはゴーリキイの『どん底』 (中村白葉訳 岩波文庫 1936年)でのサーチンの台詞です。モチベーションに影響を与える要因は様々ありますが、そのうちの一つに「仕事の捉え方」があります。サーチンの言葉を借りると、仕事を楽しみと捉えるか、あるいは義務と捉えるかでモチベーションには「天国と地獄」ほどの差があります。
「モチベーションアップの方法」~マネジメント・経営のコツ
著者:インソースマネジメント研究チーム
- ■「仕事の捉え方」でモチベーションは変わる
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仕事を楽しみとして捉えるには以下の3つの考え方が有効です。
①仕事の作業内容そのものではなく、仕事の目的から考えてみる。
②仕事の目的は、仕事の先にある他の人々や社会との関わりから捉えてみる。
③仕事の目的と自分の価値観が一致していれば仕事を楽しめる。
社会との関わりから仕事の目的を捉え、それが自分にとって価値あるものだった時、仕事は楽しみになるといえます。 - ■部下のモチベーション向上におけるリーダーの役割
- さて、それでは皆さんの部下がモチベーションが上がらず悩んでいるときに、皆さんはどう対処しますか?部下の価値観を介して、部下の仕事と社会とのつながりを見つける手助けをする。これが部下のモチベーション向上におけるリーダーの役割です。そのためには、部下と深いレベルでコミュニケーションをとることが必要です。深いレベルでのコミュニケーションには面と向かった話し合いが有効です。部下とじっくりとコミュニケーションを図る機会を是非持っていただきたいと思います。
- ■部下の価値観を少しずつ理解していくことが重要
- とはいうものの、部下の価値観にいきなり立ち入ることが難しい場合は、これまでに仕事で夢中になったことはあるか、それはどんな時であったか? なぜ夢中になれたのか? という話から始めるのがいいでしょう。まずは場面を特定し、次になぜそのような気持ちになったかを考えさせるのです。このような会話を進めることで、部下はどのような価値観を持っているかが少しずつわかってくるものです。