今、ビジネスパーソンの間で流行の「ロジカル・シンキング」。今回は、すぐに実行可能なロジカル・シンキングの"極意"をお伝えします。
ロジカル・シンキングの極意(1)
著者:インソースマネジメント研究チーム
1.ロジカル・シンキングの極意は、問いかけの方法をちょっと変えてみることである。
2.先に考えるべきなのは、How to型の質問ではなくWhat型とWhy型の質問である。
- ■「ロジカル・シンキング」ばやり
- ここ数年、日本のビジネスパーソンの間で「ロジカル・シンキング」がちょっとした流行になっています。書店のビジネス書コーナーに行くと、ロジカル・シンキングや論理的思考のトレーニングのための書物が所狭しと並べられています。
- ■問いかけの方法を変えるだけ
- しかし、ビジネス書には、いったいどうすればロジカル・シンキングを身につけていくことができるかについては、あまり詳細に書かれていないようです。以下では、すぐに実行可能なロジカル・シンキングの極意について述べてみることにしましょう。実は、問いかけの方法をちょっと変えてみるだけです。
- ■思考の枠組みを変えるコツ
- ロジカル・シンキングとは「論理」(ロジックス、logics)をもとにした思考法であることを理解する必要があります。ここで重要なのは、論理とは何か、ということです。それはずばり「なぜ」("Why")を考えてみることです。このWhy型質問に加え、それは「何か」を問うWhat型質問もあわせて自分の思考様式の中に取り入れ、思考の枠組みを組み立てていくこと―これがわたしの考えるロジカル・シンキングの要諦です。
- ■How to型ではなくWhat型とWhy型の問いを考える
- 多くのビジネスパーソンは、仕事柄「どうやったらそれがうまくできるか」つまり、How to型の質問が先にきてしまいがちです。How to型の質問は、もちろん重要ですが、それより先に考えなければならない問いがWhatとWhyなのです。
- ■厳密に考える癖をつける"What"型の質問
- 例えば、とある人事マネジャー氏が「どうすれば、我が社に成果主義がうまく導入できるのだろう?」と漠然と考えていたとしましょう。これは「どうすれば」という問いなので、How to型の質問です。ただ、このままではすぐに成果主義導入へ向けた妙案は思いつきません。そこで、「今いわれている成果主義とはいったい何だろう?」というように"What"を問うてみるのです。成果主義とは何かという基本的な認識を整理し、きっちり物事を考えていくための土台を作るのが、このWhat型質問の役目なのです。
- ■自分流の明確化でOK
- ここで留意しないといけない点は、逆説的ですが、必ずしも「完璧に規定する」必要はないということです。自分なりに明確化できていること、こうであれば自分の考える成果主義だけれども、こうであればそうではない、というレベルにまで考えておけば、ひとまず十分です。What型質問ができあがれば、次はロジカル・シンキングの本丸 Why型質問の出番です。