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ENERGY vol.11(2023年春号)掲載

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DX革命の実践方法~段階を踏んで着実に組織を変えていく

自社のDXは何から始めどう進めていくのか

様々な企業のDX推進責任者の方から、次のようなご相談をよく受けます。
■ 社長にDXを推進せよと言われた。何をどう進めればよいのか
■ 各部署に推進者を任命したが、兼務のため推進しない。どうすればよいか
■ 社員のリスキリングを目的としITパスポートの取得・デジタル技術やデータ関連の動画視聴を奨励中。次にどんな施策を行うべきか
人事やDX推進部署の責任者として、業種・業界問わず誰もがぶつかる悩みです。解決策は一つではありませんが、先行企業の実例を考察する事により解決のための糸口は見えてきています。

①経営層・管理職層のコミットメントを引き出す

自社をデータとデジタル技術の活用を前提とした組織へ変革するには、経営層・管理職層のコミットメントが必要です。一方でデジタルに対する苦手意識により上級管理職の多くはDXに消極的で、導入したITツールの存在も知らず活用できていないのが実情です。
推進の方針が不明確では、一部の業務でデジタル技術の活用が進むものの変革の動機は弱いままです。
実際にDXの現場では、部内で任命した推進者が管理職の支援を得られないために孤軍奮闘するという状況も見られます。まずは上級管理職がDXにおける役割を知り、推進者が動きやすい環境を作ることが大切です(図表1)。

②リスキリングを通じてデジタルの便利さを実感

デジタル人材育成に必要なITの基礎を固めようと、多くの企業がITパスポートを社内奨励資格として設定し意識変革を図っています。一方で社員の意識を変えるにはデジタル活用で実務の生産性が高まるという利益実感が必要です。
対策として学んだ知識やデジタル技術でどのようなことができそうか、社員同士でワークショップを行います。そうしてデジタルの便利さを実感し実務活用のイメージを描いて成果を出す下地を作ります。
リスキリングは通常業務と同時に行う社員には大きな負荷がかかります。人事やDX推進責任者として次の施策も併せて検討するとよいでしょう。

③自社の現状に合った方法で業務効率化を行う

「DXは提供価値向上の取り組みである」という考えで新規サービス創出や新業務設計を最初から目指す企業は多くの場合、次の問題にぶつかります。

新しいことに取り組むには、時間が必要です。時間を捻出するため、まずはDXで業務改善に着手するのが現実的といえます。

■ 身近な業務改善から始める

散在している資料やデータを集約し保管ルールを定めるだけでも検索性は上がります。多くの企業ではExcelで業務を運用しておりデータの転記や確認作業を自動化すれば作業時間を短縮できるでしょう。Microsoft365などのITツールも活用すればより生産性が上がります。

■ 部全体で業務改善を進める

ノーコード/ローコード開発やITベンダーにシステム開発を依頼する場合、ビジネス部門のみでの企画推進は難しいかもしれません。
ビジネス部門へコードを書くためのプログラミング技術や要件定義の研修を行いつつ、開発の予算を計上する、指南役のIT人材をシステム部門から派遣するなどの支援を行いましょう。

④デジタル技術を使ったビジネスデザインを描く

昨今は多くの企業がAIやデータ分析を中心に研修を行っています。しかし実際にはデジタル技術を学んでも新サービスの創出と新業務の設計につまずくケースが多発しています。顧客のインサイトを考察できず課題解決のアイデアを出せない、ASIS-TOBEで発想できず前例踏襲の業務から脱却できないなどの問題がそうです。
ビジネスデザインには、お客さまが現実に求めているものは何か、どんな課題を抱えているかという顧客起点・課題起点の視点と解決策を構想する創造力が求められます。そのためにはデザイン思考、UX、課題設定力といったビジネススキルの強化も必要です。

文/後藤 聡

株式会社インソースデジタルアカデミー 執行役員

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本コラム掲載号の記事一覧

2023 SPRING

Vol.11 DX革命 第二章~着手から実践へ

vol.4の続刊であるVol.11は「DX革命の実践」がテーマです。本誌の前半ではDXの課題を4段階に整理し、各段階の解決策である研修プランを掲載しています。 後半では弊社が研修を通じてDXを支援した、各企業様の事例と成果を紹介しています。自社のDX実践に際して、何がしかの気づきを得られる内容となっています。

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2024 SUMMER

Vol.14 使えるアセスメント

vol.14は「アセスメント」がテーマです。 人的資本経営の注目により「人」の価値を引き出すことが重視されるようになりました。 客観的に評価・分析することができるアセスメントを活用することで多様な人材が活躍できる人事戦略に役立てることができます。 本誌では、採用、管理職育成など様々な場面でのアセスメント活用方法についてご紹介しております。

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