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ENERGY vol.11(2023年春号)掲載

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4区分したリーダー層に基礎・専門研修を実施【サッポロホールディングス株式会社】

「全社員DX人財化」宣言から1年研修で強化されたヨコの繋がり

インソースグループは、サッポロホールディングスのパートナーとして、DX・IT人財育成を支援してまいりました。その成果と今後について、安西政晴氏、河本英則氏に伺いました。

社長の「全社DX宣言」でプロジェクトがスタート

2022年は、サッポログループの「DX元年」でした。

尾賀社長の年頭挨拶で「全社DX宣言」がされ、全社員にeラーニング、サポーター600名に専門eラーニングを実施しました。

7月からは、150名のリーダーステップを開始。人数は事業所ごとにリーダーが一人必要として算出しました。

それは、一人ひとりに目を配り続けるのが困難な環境の中で、対応しなければならない点です。小学校教諭は30、40人の生徒を一人で見なければなりません。またリーダーは、ハイブリッドワーク下の部下と物理的な距離が生まれる中で、きめ細かで丁寧なマネジメントをすることが求められます。

研修にあたり、DX人財像も決めました。内容は、データ分析を担うデータサイエンティストと現場で必要なノーコード・ローコード開発の「DXテクニカルプランナー」、DX案件を引っ張っていく「DXビジネスデザイナー」、システムやセキュリティでDX推進を支える「ITテクニカルプランナー」の3コースです。

接点のなかった社員同士で新しい取り組みを考える

ホールディングス体制を敷いている会社には、各事業会社社員の横の連携に課題があります。

しかし、今回の研修では会社や業務が異なるメンバー同士の交流が起こりました。その結果、自部署の問題が他部署と同じだったという気づきや、サッポロライオンと工場と現場の人が集まって、ビールの営業ツールを開発しようなどといった新しい動きが始まっています。

このヨコの繋がりこそX(トランスフォーメーション)です。

研修後の受講者を自社支援「DXイノベーション★ラボ」

23年は育成も継続しますが、育てた人の活躍の場を作ることに注力します。それが「DXイノベーション★ラボ」です。

「鉄は熱いうちに打て」という思いと、研修を終えて事業所に戻ったリーダーの駆け込み寺の意図もあります。中には、DXよりまず目の前の仕事を優先してほしいという上司もいるからです。

まずはバーチャルで開始しDXの企画を広く公募する

ラボに来たら自分の考えが実現できるかもしれないと思ってもらえるようにしていきます。

ラボは、いったんバーチャルでスタートし、春から本格始動します。教育会社や大手ベンダー、スタートアップも入る一種の仮想空間となります。

埋もれたデータを可視化しイノベーションを生み出す

サッポロライオンが活用するつもりのデータが、実はサッポロビールのマーケティング部門が探していたものだったということがありました。今まで隠れていたものが、ラボによって可視化されるとグループ横断で様々なことが可視化され、会話がはずみます。これがイノベーションにつながるのです。

パートナーの選定理由は幅広い研修を行える総合力

― インソースグループをパートナーに選んだ理由を教えてください

大型のリアルDX研修は、我々にとって初めてのトライアルでした。

そうした中で御社を選んだ理由の一つは、研修の立て付けも含めてわかりやすい構成だったこと。すべてを網羅した幅広い研修素材があり、研修をプロジェクトとしてサポートできる総合力です。

当社が研修の進行を支援受講者面談で理解度を確認

インソースを研修パートナーとして選定した後も、我々の事務局はほぼ一人という状況でした。研修内容や日程、企画の詰めなどのオペレーションに関して、営業の秋元さんのサポートは本当に助かりました。研修の最後に、受講者への面談をして、全員のレポートを出していただいたことにも感謝しています。

我々は、その定性的な評価と他社のアセスメントを合わせてHRシートにします。人事部と共有し、今後ブラッシュアップして使っていく予定です。

今回の研修は人事部門とは別体系で実施することになりました。また、それまでは全てeラーニングでやってきたので、リアルで一斉に受講する研修はどういう形になるのかは不安があったのですが、見ていて安心感がありました。

DXの土台となるビジネススキル研修が高評価

― 受講者の評価はどうでしたか

基礎研修と言われるビジネススキル向上研修の評価が、著しく高く出たのが大きな特徴です。

DX研修というとデジタルやデータに目がいきがちですが、DXのベースとなるビジネススキルに受講者の期待感があり、かつ評価も高かったのです。

これまでロジカルに考えたり、データで考えたりする癖をつけてこなかったこともありますが、今回の研修でベースができたからこそ、サッポログループの文化や意識を変えていくことにつながったと見ています。

特に実践的だったのはプロジェクトマネジメント

研修がストーリー立ててつながっていたのもよかったですね。

例えば、課題設定から順を追って企画提案までもっていく...... このプロジェクトマネジメント基礎は、受講者にとって知っているようで知りませんでした。大変プラスになりました。

デジタル・ビジネス両面を教育できるのはインソース

今回、ビジネスの基礎から手取り足取りしっかりと研修をしていただきました。これもインソースグループの総合力があったからこそです。でなければ、昨年1年間で150名を育てることはできなかったでしょう。

今年度も基礎・専門研修をお願いします。また、イノベーションラボの運営や、将来的に考えている講師育成についても引き続き知恵を拝借したいと思います。

安西 政晴 氏

新規事業開発部門やマーケティング部門で商品開発や宣伝を担当。2017年よりサッポロビール社のDX推進に携わりながら、現在はサッポロホールディングス社DX・IT統括本部にて、グループ全体のDX推進に携わる。

河本 英則 氏

営業部門を経験したのち、IT部門で営業系のシステム企画を担当。最新のDX技術や市場動向を把握し、外部パートナーとのネットワークを構築。現在はDX・IT統括本部を兼務しながら、サッポロビール社のDX推進に携わる。

DXリーダー育成をプランニング

基礎研修では、リーダーに共通するスキルである課題発見・解決に加え、ベンダーを管理する知識を学んでいただきました。
専門研修では、各リーダーの役割に必要なスキルを厳選して盛り込みました。
サッポロホールディングス様が目指す自社戦略を推進でき、外部会社とも協業できるリーダー育成に、プランニングから関わらせていただき光栄です。

秋元 良平

株式会社インソースデジタルアカデミー 執行役員
2021年からサッポロホールディングス様を担当

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2023 SPRING

Vol.11 DX革命 第二章~着手から実践へ

vol.4の続刊であるVol.11は「DX革命の実践」がテーマです。本誌の前半ではDXの課題を4段階に整理し、各段階の解決策である研修プランを掲載しています。 後半では弊社が研修を通じてDXを支援した、各企業様の事例と成果を紹介しています。自社のDX実践に際して、何がしかの気づきを得られる内容となっています。

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2024 SUMMER

Vol.14 使えるアセスメント

vol.14は「アセスメント」がテーマです。 人的資本経営の注目により「人」の価値を引き出すことが重視されるようになりました。 客観的に評価・分析することができるアセスメントを活用することで多様な人材が活躍できる人事戦略に役立てることができます。 本誌では、採用、管理職育成など様々な場面でのアセスメント活用方法についてご紹介しております。

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