「ほどほどに働きたい」という若手に、キャリアを考えてもらうためには
2018.10.10
- キャリア
7月22日付の人事のお役立ちニュースにて、2019年の新入社員を対象に実施した「働くことの意識」調査で、「働き方は人並みで十分」と考える人が過去最高の63.5%となったことを紹介いたしました。
“「人並み以上に働きたいか」と聞くと、近年増加傾向にある「人並みで十分」が過去最高を更新し63.5%となった。「人並み以上」は減少を続け29.0%と過去最低レベルに低下し、両者の差は調査開始以来最大の34.5ポイント(前年度30.3ポイント)に開いた。
「仕事」中心か「(私)生活」中心か聞くと、常に「両立」という回答が多数を占めるが、今年度も77.0%と多数を占めた。
残りの「仕事」中心と「(私)生活」中心、という回答に注目すると、「(私)生活」中心という回答が17.0となり、「仕事」中心(6.0%)を上回った。その差は11.0ポイント(前年度8.5ポイント)と前年度より広がっており、プライベート優先志向が強まっている。”
(※2019年7月22日 人事のお役立ちニュースより)
今の若手層は、ほどほどに働きたい「さとり世代」
最近の若者は、「あまり無理して働きたくない」、「普通の生活ができればそれでよい(高望みしない)」という傾向にあるとよく言われます。「すべてにおいてほどほどがよい」と悟り切ったような価値観を持つ若者、いわゆる「さとり世代」と呼ばれる世代の考え方が、これらの調査結果にも反映されているようです。
また、ワークライフバランスという概念が浸透したことで、働き過ぎはよくないという考え方が今の若者たちにとって常識となったことも影響しているのかもしれません。しかし、将来において「無理のないほどほどな働き方」を続けていて、若手層が望んでいるような「ほどほどの暮らし」を維持することは可能なのでしょうか。
AI化、グローバル化、技術革新によって、「10年後・20年後も今と同じ仕事があるという保証はない」という現実を踏まえ、時代の変化に対応できるしなやかさ、新しいスキルを習得する貪欲さがもっとあってもいいのでは? と、若手層の将来を心配する上司・先輩の声もお聞きします。
では、彼ら・彼女らの意識を変えていくには、どのような働きかけをすればよいでしょうか。
「マネー」の視点を与えることで、ひとつ上のキャリアを目指すきっかけに
物欲が少ないと言われている「さとり世代」は、「無駄に消費をしなければ、無理に働くこともない」と考えがちです。親と同居している若者もいたり、今の暮らしに満足していたりするため、「生きていくにはお金がかかる」という実感が得られていないのかもしれません。
若者が「ほどほどの暮らし」と考える程度の生活を一生送り続けるのは、実際には本人たちが想像している以上のお金が必要です。
「将来に渡って安定した生活を送るためには、働いて収入を増やすことが必要」という気づきを与えることが、若手層がひとつ上のキャリアを目指すきっかけになります。
<若手向けキャリアデザイン研修>
▼20代向けキャリアデザイン研修~Must・Can・Willでキャリアを考える
上司として部下のキャリア形成を支援する
近年では、管理職のマネジメントする項目のひとつに「部下のキャリア」が加えられることが増えてきました。
現在与えられている役割や仕事だけでなく、部下が今後、どのようなキャリアを積んでいきたいのかを知り、また、どのようなキャリアを積ませることが組織と本人両方にとってベストかについて熟考したうえで、これから与えていく役割や仕事の采配を決めていくーー管理職には、部下の今後の可能性について考えたうえで支援し、指導し、育成していくことが求められています。
部下が自身のキャリアについて、どのような考えおよび価値観を持っているかをきちんと耳を傾けて聴くこと、そして本人の意向をくみ取りながら、組織としてパフォーマンスを向上させる方向性を見出し、提示していくことが、上司のできるキャリア支援の形です。
効率的な仕事のやり方や周囲との協調の仕方などを教えて部下の意欲を引き出し、「ちゃんと働いて成果が出ると、仕事はもっと楽しくなる」ということを部下自身が実感できようになると、「ほどほどな働き方」から一歩踏み出し、キャリアを積むことを積極的に考えられるようになるのではないでしょうか。
<管理職向けキャリアデザイン研修>
▼管理職研修~部下のキャリア開発支援を実践する(1日間)
▼管理職のためのキャリアデザイン支援研修(1日間)
おすすめリンク
【公開講座】20代向けキャリアデザイン研修~Must・Can・Willでキャリアを考える
【公開講座】若手社員向けビジネスマインド強化研修~主体性、業務・役割の領域拡大、自分で考える