7月のトレンドワード
リスキリング
「リスキリング(Reskilling)」とは、"職業能力の再開発、再教育"という意味で使われる言葉です。近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するための人材戦略としても注目されています。
現在、世界では「第4次産業革命」とも呼ばれる革新的な変化が起きています。IoTやビッグデータ、AIの活用によって今ある仕事のデジタル化・自動化が進み、従来人が行っていた労働の補助・代替などが可能となるため、多くの労働者の仕事が消失することが予想されています。
省力化の影響で仕事を失う人が増える一方、仕事のデジタル化・自動化に対応できる高度な技術を持った人材は不足しており、新たな人材確保にかかるコストも課題となっています。そこで、既存の人材に対して新技術に対応できる能力開発を行うリスキリングで人材不足を解消する取り組みが、世界各国の企業ですでに始まっています。
リスキリングによって、職を失う人材を新たな雇用が生まれる部門へ円滑に労働移動させることができれば、採用コストの削減のみならず、これまで既存人材が作り上げてきた組織独自の文化を継承できるメリットもあります。
リスキリングを進めるうえでは、従来の産業構造が根本的に変わることを念頭に置き、これまでの個人のキャリアやビジネスのやり方に捉われない観点からスキル開発にあたる必要があります。文系だからデジタルのことは分からない、DXなんて自社には関係ない、といった先入観は捨て、各々の適性の把握や自社のビジネスにおけるDX戦略立案を早急に行い、いち早く組織的なリスキリングに取り組むことが、企業経営の安定につながります。
ただし、個人のリスキリングを行うことは容易ではありません。ベテランにとって自分が習得した知識を捨てることは苦しいことです。勇気をもって、古い知識を捨て、新しい知識へのアップデートが求められている現状の認識を促す必要があります。
また、IT関連で求められるスキルは高度化するスピードが速いため、必要なプログラミングの知識などはすぐに陳腐化してしまいます。自社にデジタル人材育成のノウハウがなければ、外部の研修会社などの活用も検討しましょう。
参考:
・内閣府「日本経済2016-2017 -好循環の拡大に向けた展望-」「第1節 第4次産業革命のインパクト」
(最終アクセス 2021/07/12)
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