組織は「人」が集まって構成されている以上、「人」に関する問題や悩みがなくなることはあり得ません。性別や年齢も違えば、育った環境も異なる「人」の集合体である組織内では、目指す方向性は共有しつつも、多種多様な価値観がひしめき合っているのです。
そんな中、管理職となった人たちは、経営陣と部下との価値観の狭間に立たされます。「あちらを立てれば、こちらが立たず、こちらを立てれば、あちらが立たず」まさに胃の痛む日々を過ごしている人も少なくありません。
この四半世紀の間に、日本を取り巻く経済状況は大きく変化しました。「終身雇用」「年功序列」「定期昇給」といった旧来の日本型経営は姿を変え、会社の利益にどれだけ貢献したかが価値基準となる「実力主義」へと急速にシフトしようとしています。旧来の日本型経営は、継続的な経済成長とそれに伴う会社の成長を前提として初めて成り立つものであり、バブル崩壊やリーマンショックを経験した日本企業は、その教訓から次々と古い衣を脱ぎ捨てているのです。
年齢や勤続年数にとらわれず、実力やこれまでの実績に応じた「実力主義」による人材登用を進める企業が増え、連動して「年上の部下」を持つことになった管理職の悩みも深くなったと言えるでしょう。管理職の仕事は、部下を、業務を、業績を管理することですが、働く人の「気持ち」「モチベーション」はその成果を左右します。そこが「人の組織」の難しいところなのです。
組織の方針によって「年上の部下」と「年下の上司」となってしまった両者の関係は、かつては、上司と部下、先輩と後輩の関係であったかも知れません。仕事を教えたり、悩み事を相談されたり、時には酒を酌み交わしたこともあるかも知れません。先輩にとっては時を重ねても、かわいい後輩であり、まさか自分の上司になるとは夢にも思っていなかったはずです。また、自己評価は他人の評価よりも3割高い(評価3割引きの法則)と言うように、後輩の評価が自己評価を超えようなど認めたくないというのは当然の真理です。
従って、望むと望まないに関わらず、「年上の部下」を持ってしまったら、まずは、「年下の上司」を持ってしまった人の心境を察すること。立場が上になったからと言って、頭ごなしに指示命令を下したり、年下の部下や後輩と接するような態度を取ると、「年上の部下」は、「非協力的」という目に見えない抵抗勢力となってチームを崩壊に導く引き金を引くことになりかねません。まずは、「年上の部下」を戦力化することに粉骨砕身するべきなのです。会社の役職は、組織の責任のライン、ポジションの関係性であって決して「偉い」とか「偉くない」といった問題ではないのです。この点を理解することがとても大切です。
まず必要なのは、未だ年功序列の風潮が残る職場内で起こった抜擢人事によって生じた「年上の部下」を持った上司、と「年下の上司」を持った部下との間のわだかまりや心の壁を取り除き、チーム全体のベクトルを「成果を出す」方向に一致させるよう心掛けること。そのためには、彼らの一日の長に対して敬意を払い、面子を立てることを意識しながら喜んで協力させる環境を作ることが肝要です。「年上の部下」を生かすも殺すも、チーム内で彼らのプライドを満足させる役割を与えられるかにかかっているのです。
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研修担当者の虎の巻
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