2023年3月01日
人事の仕事は採用だけでなく、評価制度や労務管理など人材に関する幅広い業務を行います。この記事では、人事の具体的な仕事内容ややりがい、人事に向いている人の特徴、取得すると有利な資格について解説します。人事の仕事に興味のある方はぜひご覧ください。
人事は、企業の人材に関わる幅広い業務を行います。「経営資源」と呼ばれる企業の経営に必要なヒト、モノ、カネ、情報のうち最も重要とされるヒトに関わるさまざまな仕事を担います。人材は、企業の事業活動を支える大切な資源です。そのため、人事は経営基盤の安定を図るために重要な存在といえます。人事が行う業務範囲は企業によって異なりますが、人材の採用、教育、評価、管理などを行うのが一般的です。
・採用業務
・教育・研修
・評価制度の運用
・労務管理
人事の業務範囲は広く、仕事内容は多岐にわたります。以下で大きく分けた人事の仕事内容4つを紹介します。
人事は、人材の採用業務に関する役割を担っています。新卒採用、中途採用などで企業に必要な人材を確保する重要な業務です。採用計画に沿って、採用スケジュールの調整、募集要項の作成、選考、入社手続きなどを行います。近年の採用活動の多様化により、自社求人への応募者を募るため、SNSの発信や就活イベントの運営などの業務を行う場合もあるでしょう。
人事の業務に、新卒者や中途採用者などすべての新入社員の教育・研修があります。主な研修内容は、社会人としての基本的なマナーを身につけるビジネスマナー研修、企業の経営理念や求める人物像を理解する研修などです。企業によっては、教育・研修を外部に委託する場合もあります。外部に委託する場合は、委託先との調整を行うのも人事の仕事です。そのほか、社員の資格取得やスキルアップの支援体制の構築も行います。
人事は、社員を評価する際の基準となる評価制度を運用する役割を担っています。具体的な仕事内容は、評価制度の作成、評価項目や評価基準の設定、見直しなどです。評価制度があることで、社員の仕事の成果を公平かつ客観的に評価して、報酬や等級を決定できます。評価項目や評価基準が明確になり、社員のモチベーション向上が期待できるでしょう。経営層、社員どちらにとってもわかりやすい評価制度を運用し、企業全体の士気を高めることが人事のミッションです。
社員が安心感を持って働けるような環境を整えるための管理業務も、人事の大切な業務です。主な管理業務の内容は、社員の勤怠管理、社会保険への加入手続き、給与計算、福利厚生に関する業務、労働環境の整備などがあります。そのほか、社員のさまざまな手続きに必要な書類の作成や提出といった事務作業も多いです。また、社員が心身ともに健康に働き続けられるように、就業規則の整備などを行うこともあります。
・企業の顔として重要な役割を担える
・採用に関わった社員が活躍する姿を見ることができる
仕事のやりがいは人それぞれですが、人事の仕事のやりがいとして挙げられることが多いものを紹介します。
人事のやりがいとして、企業の顔として重要な役割を担えることが挙げられます。人事の姿は、説明会や面接といった採用業務などの場面で応募者の目に入ることが多いでしょう。説明会や面接時においては、人事の印象が企業の印象を左右させるといっても過言ではありません。そのため、丁寧さや清潔さ、明るさを意識した言動が求められます。企業の顔としての責任が、自分自身の成長ややりがいにつながるでしょう。
自分が採用に関わった社員が入社し、戦力として活躍する姿を見られるのは、人事ならではのやりがいです。人事のミッションである自社で活躍する人材の採用・教育の成果として、社員の成長を感じられると嬉しいでしょう。また、社員の活躍は、社員一人ひとりの能力が十分に発揮できる環境を整える労務管理の成果ともいえます。自分の仕事が社員の活躍につながっていると実感できるでしょう。
・人のサポートが好き
・物事を公平な立場から判断できる
・秘密を守れる
人事はどのような人が向いているのでしょうか。以下で人事に向いている人の3つの特徴を解説します。
人のサポートが好きな人は、人事に向いています。人事は、企業の顔としての役割もある一方で、裏方に徹して社員のサポートに回る業務も多いです。社員を教育したり、社員が働きやすい環境を整えたりといった人をサポートする業務を行います。そのため、人事の仕事には、企業の成長や社員の成果のために貢献する姿勢が必要です。社員が成長する姿を見ることが好きで、社員の活躍を心から喜べる人は人事に適性があります。
人事は、物事を公平な立場から判断できる能力が求められます。人事の仕事は、社内規則や社員の解雇に関することなど企業の方向性を定めることに携わる機会が多いです。そのため、感情に流されずに公平な立場から判断することが求められます。社員にとって不利益が生じる場合でも時には厳しい判断を下す必要があるため、物事を論理的に考え、公平な判断ができる人が人事に向いているでしょう。
口が堅く秘密を守れる人が、人事に向いています。人事は、企業のさまざまな部署の中でも機密情報を扱うことが多い職種です。企業の機密情報が流出すれば、企業の不利益やトラブルにつながります。また、社員の給料や異動に関する情報、解雇予定の社員、社員の健康に関する情報などプライバシーな情報を取り扱うことも多いです。うっかり社員のプライバシーな情報を漏らしてしまうと、社員からの信頼低下を招きます。そのため、口が堅く、いかなるときも秘密を守る意思を貫き通せる人が人事に適任です。
人事で働く上で必須資格はありません。しかし、社会保険労務士の資格を取得すると、社内での評価がアップしたり、転職の際に有利になったりします。社会保険労務士とは、人事、社会保険、労務管理に関する国家資格です。社会保険労務士の出題内容は、人事の業務に直結するため、資格取得の中で身につけた知識は人事の実務に役に立ちます。
未経験でも人事に転職することは可能です。近年人事の未経験者採用は増加傾向にあり、未経験でも十分人事を目指せるようになりました。特に人と深いコミュニケーションを取る職種の経験者は、未経験でも十分採用される可能性があります。未経験から人事を志望する場合は、志望動機の内容が非常に重要です。なぜ人事の仕事をしたいのか、なぜ他の企業ではなく応募先の人事なのかを明確に書く必要があります。魅力的かつ企業側が採用するメリットを感じられるような志望動機を書くことが、未経験から人事に転職する近道です。
人事は、企業の事業活動を支える人材に深く関わる仕事です。組織の中で企業を成長させるための重要な役割を担っています。社員が活躍できる場を作っていくポジションとして社員一人ひとりを支えながら、自分自身も大きく成長できるでしょう。時には企業の顔として、時にはサポート役としてさまざまなやりがいを感じられる素晴らしい仕事です。
配信元:日本人材ニュース
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