オリジナルの意味からmanagement(マネジメント)の本質について考察します。
本当のマネジメントとは
著者:インソースマネジメント研究チーム
1.マネジメントをする人自身の主体的な意思でもって、各所にある障壁を乗り越え、うまく帳尻を合わせながら、物事をこなしていくことこそがマネジメントである。
2.マネジメントに必要なのはバランス感覚である。
- ■「経営」を英語でいうと
- 「経営」のことを英語で何というかご存じでしょうか。実は、日本語の経営にあたる、どんぴしゃりの英語表現はありません。敢えて近い用語を挙げるならmanagement(マネジメント)でしょう。ただ、このmanagementという用語の語源や用法、オリジナルの意味についてはあまり知られていないようです。
- ■全てがマネジメントの対象
- 経営の現場はすべてにマネジメントがつきものです。経営の全体を司る戦略部門はもとより、開発、生産、販売の各プロセス、人事や経理などのスタッフ部門も含め、すべてマネジメントという単語を直後に付けた言葉が実際に使われています。
- ■マネジメントの具体的中身
- マネジメントという単語の最もオリジナルな意味合いは、簡単にいうと「物事を、自分がこうやろうと思ったとおりに、うまく回していくこと」です。かつて1960年代のアメリカで、マネジメントとは具体的に何かということが盛んに研究されていましたが、そこから出てきた結論は、「計画して、実行して、確認する」という、至極当たり前のプロセスでした。
- つまり、物事をやり遂げようとすると、きっちり計画を立て、その計画通りに実行して、それがちゃんと計画通りになっているかどうかを確認して、もし計画通りでないところがあるとすれば、それを確認して軌道修正する、という、今日でいうところのPDCA(plan, do, check & action)サイクルの原型が、マネジメントの本質であると考えられてきたのです。
- ■主体的意思が根底に
- このマネジメントという単語の動詞形はmanageで、後ろにto不定詞を伴って「どうにかこうにか○○する」、「何とかやり遂げる」といった意味になります。要は、マネジメントをする人自身の主体的な意思でもって、各所にある障壁を乗り越え、うまく帳尻を合わせながら、物事をこなしていくことこそがマネジメントなのです。
- ■バランス感覚を身につける
- 各所にある障壁を乗り越えながら、物事をうまくこなしていこうとすれば、必要となるのはバランス感覚です。ごく単純な例を挙げれば、コストを削減したいという要請は経営者なら誰もが持っていますが、だからといって従業員の給料を下げすぎると、彼らの不満が蓄積され、結局のところ企業はうまく廻っていきません。
- 仕事で限られた時間を、何にどれだけ使い、全体としていかにうまくこなしていくかについてもバランス感覚が必要で、したがってこれも各自の時間管理(マネジメント)の課題です。
- ■マネジメント能力は全員に必要
- 日々、組織で働いておられる方々も、基本的には同じだろうと思います。マネジャーだけではなく、一人ひとりの個々人が、きっちり各自自身のマネジメントをしていかないといけません。そうしたことができる人々は、いずれマネジャーとなり、うまく組織全体を回していけるようにもなるはずです。