新人が「磨けば光る玉」であるかどうかを見極めるには、どこに注目すればよいのでしょうか。
「できる人」の見分け方・育て方(1)
著者:インソースマネジメント研究チーム
1.「できる人」の特徴として、常に「自分自身を外から眺めようとしている」点が挙げられる。
2.担当者は、入社面接に来た新人に「周りを見て学ぼうとする姿勢」があるかどうかを見極める必要がある。
- ■外見上のスペック
- 周知のように、多くの日本企業では、長期にわたって人材を育成しうるだけの余裕が減ってきており、自社に入社させてからじっくり育成するというよりも、最初から“仕事能力”をもった人材を求めるように変化してきています。こうした仕事能力は、もっとも端的にはITスキルや英語力といった各種資格を有しているかどうかや、出身校や学歴といった外見上のスペックに依拠して判断している企業も少なくないようです。
- ■内面の能力が重要
- しかし、そうした資格取得状況や学歴から判断できる能力以外にも、仕事で必要となる能力は多々あります。外見のスペックからだけでは判断できない内面に秘められた能力、その人材が「磨けば光る玉」であるかどうかの見極めは、人事面接の担当者はどうやって判断すればよいのでしょうか。
- ■できる人の特徴
- 「できる人」の特徴は、その人の言動の様々な局面に現れますが、それらの原点は、常に「自分自身を外から眺めようとしている」点にあります。ここでいう「外から眺める」は、他者との相対的な関係性において自己を理解しようとする、と言い換えてもいいでしょう。
- 行動を起こす際に、常に周囲を眺め、全体に求められるものは何かという点に留意しながら自分自身の行動を決定する・・・こうした特徴を必ず有しているのが「できる人」の特徴です。
- ■できない人の特徴
- これに対し「できない人」は、基本的に周囲を見つめようとする姿勢が欠けています。周囲を見ることなく、自分の“思い”のみに従って言動するのが「できない人」の特徴です。こうした「できない人」は、他者を見ようとしませんから、当然に他者の言動から何かを学ぶことはありません。
- ■学校での内科検診の例
- とある保健担当の先生から興味深いお話をうかがったことがあります。
- 「できる生徒」は、健康診断の内科検診で、自分の番が回ってくるまでの間に、前の順番の友達がどのような行動をとっているか、待っている合間に(言われなくても無意識のうちに)観察していて、いざ自分の番が回ってきた際には、その観察したとおりの行動がとれます。これが通常の状況です。
- これに対し「できない生徒」は、周りを全く観察しておらず、自分の番が回ってきても何をしていいかわかっていません。ですから、先生の方から逐一「はい、服の前をめくりなさい」とか「次は、後ろを向いて背中を出しなさい」などと、細かな指示を出さないといけないのだそうです。
- そうした「できる生徒」・「できない生徒」の区別は、学力テストの成績の高低と概ね相関関係があると、その先生は仰っていました。・・・なんとなく想像はつきますね。
- ■周囲から学ぼうとする姿勢
- 入社面接に来た新人に「周りを見て学ぼうとする姿勢」があるかどうか、大げさに言えば「環境・世界を意識しながら自分自身を位置づけようとしているか」・・・この点を人事面接の担当者はきっちり見極める必要があるということです。