在宅勤務が増え、職場環境や仕事の進め方などが大きく変わるなか、テレワーク・リモートワーク中に受けるリモートハラスメント(リモハラ、テレワークハラスメント)という言葉を耳にすることが多くなりました。
今回は、そのリモートハラスメントについて、具体的な事例、発生する原因、防止のために注意することをみていきます。
\Pick Up!/
【動画教材・eラーニング】リモートハラスメント防止講座
みなさんも在宅勤務を実際に経験された方が多いと思います。そのリモート下で発生する「リモートハラスメント」とはどのようなものか、事例をみながら紹介していきます。セクハラ、パワハラに近いもの、ハラスメントとまではいかないが嫌悪感を抱くことなど、その内容は様々です。
〇事例~プライバシーの侵害
・「〇〇さんの部屋はけっこう広いんだね、全体が映るように見せてよ」と言われた
・ミーティング中に「〇〇の部屋にアイドルのポスターがある」と話題にされ、慌てた
・兄弟が遊びに来ていたが、「誰かいるの?一人暮らしだよね?怪しいなあ」などと詮索された
〇事例~セクハラ的リモハラ
・「下はジャージをはいているんじゃないだろうな、立ってみろ」と強要された
・「テレワークだからってノーメイクじゃだめだよ、女性なんだからいつも綺麗にしてなきゃ」とからかわれた
・自宅だったのでマスクを外していたら、上司から「久しぶりに〇〇の笑顔が見れて嬉しいよ」と言われた
〇事例~パワハラ的リモハラ
・「書類提出がまだのようなので連絡した」と勤務時間外に連絡が来た
・定時を過ぎたのでオフラインにしていると叱責される
・「自粛中で時間あるんだから企画書、書けるだろう」と通常の仕事に加え、重い仕事を依頼された
〇事例~その他
・ペットの鳴き声が聞こえてしまい「仕事中なのに緊張感がない」と言われた
・個室がなくリビングで仕事をしていたら、子どもの声が入ってしまい、「大事な会議中なのに気をつけろ!」と怒られた
・オンラインの使い方に不慣れで、相手にバカにされた
・仲の良いチームだが、オンライン飲み会に参加しないと嫌な顔をされる。「付き合いが悪いね」と言われ、重荷になっている
リモートハラスメントの事例をみてきましたが、次にその発生理由についてみていきます。
1.慣れない環境の中での不安定な精神状態
リモートハラスメントは、在宅勤務というプライベート空間をオフィシャルに間借りした特殊環境ならではの問題や、オンライン上での職場メンバーとの不自由なコミュニケーションなどによるストレスで、加害者側も被害者側も双方が冷静な精神状態でないことによって発生します。
具体的に加害者側は、下記のような理由で、悪意が無く、相手に嫌悪感を与えるデリカシーの欠けた発言・行動を行ってしまいます。
・イライラにより相手に強く当たってしまうこと
・相手と会えない寂しさからくる相手への過剰な関与(プライベート侵害、サービス精神が裏目に出て余計なことを言ってしまう)
一方、被害者側も、同じく不安定な精神状態にあります。相手の不適切な発言に対し、普段ならやりすごせたことでも、許容力の低下や余裕の無さから、嫌悪感を必要以上に覚えてしまうなど、不快感を抱え込んで悩んでしまう傾向にあります。
2.在宅勤務の体制や就業規則の未整備
先ほど事例で紹介した「パワハラ的リモハラ」は、組織内で在宅勤務の就業のルールが整備されていない、業務管理、勤怠管理不足などのマネジメントの問題によって発生するリモハラです。
3.相手への甘え
面識がない相手よりも「気心知った相手」の方が、相手への甘えが生じやすく、リモハラが起こりやすいといえるかもしれません。
ハラスメントを行ってしまわないように留意することとしては、やはり、これをすることによって、相手が不快な思いをしないかを想像するなど、相手への配慮が重要となってきます。また、「ハラスメントのつもりなんて無かったのに」「そんなに嫌なら先に言ってくれたら良かったのに」......という場合もあります。
自分だけでハラスメントを防止することは難しいです。職場のメンバーに、何か自分が失言をしていたら、「さっきのアレはまずいですよ」と諫言(カンゲン)してくれるように、お願いしておくのもよいかもしれません。
ハラスメントを行う側に問題があることはもちろんですが、受け手側も相手のリモハラを誘発しないよう注意しましょう。「身だしなみをきちんとする」「私生活に関するものを映さない」など、社会人としては当たり前の"あるべき姿"に気をつけましょう。
また、話題にして欲しくない事象はカメラに映らないよう自己防衛(自己管理)することが必要です。仮想背景を利用して部屋が映らないようにする、会議中はミュートにして家族や家庭の音が入らないようにするなどの工夫を心がけます。自宅であってもビジネスの場であることを意識しましょう。
事例を読んで、ここまでじゃないけど、これに近いことをやってしまったかも......と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
今後もし同じようなことをしてしまったら、「デリカシーがなかったね、すみません」と素直に謝りましょう。普段からこういった誠実な対応を行っていれば、もし不適切な発言をしてしまった場合でも、部下がきちんと注意してくれる、そのような心理的安全性のある健全な職場ができると考えます。
<関連リンク>
【コラム】ハラスメント対策・防止の3つの視点~職場の事例から考える
【ラインナップ】ハラスメント防止研修
【ラインナップ】オンライン(リモート)ワークコミュニケーション研修
【ラインナップ】リモートワークマネジメント研修
■似たテーマ・関連テーマの記事一覧
更新
コミュニケーション不足の原因って?相手別の改善策は?
仕事をするうえで、よく耳にする「コミュニケーション不足」という言葉。仕事上で何か失敗や流れが良くない時に発される事が多いですが、事前にその原因を理解しておくことで改善される点もあります。今回はコミュニケーションの相手先を3つにわけて原因と改善策についてご紹介したいと思います。
更新
オンライン研修(Web研修)とは~成功させるコツや注意点
オンライン研修(Web研修)をはじめとしたオンライン上での教育について、メリットや成功させる運営上のコツ、注意点を解説します。また、ツールについても、受講に必須なものから、より教育効果を向上できるものまで、ご紹介します。
更新
OJTとは~OJT教育の効果的な進め方や指導方法のポイント
「OJT」とは、年代や階層に関係なく、現場で行われる業務指導のことを指します。本ページでは、OJT教育について、具体的なOJTの4つのステップを軸に、トレーナーから人事担当の方にまで役立つ内容をご紹介しています。OJTの基本だけでなく、その効果を高める方法についてもお伝えします。
更新
オンラインコミュニケーションでの工夫とは?ツールごとに気をつけたい6つのポイント
しかし、オンラインコミュニケーションの普及にともない、情報の伝達不足や誤解によ...
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。