2024年11月15日
高機能樹脂や住宅事業などを手がける積水化学工業<4204>が2024年11月に、北海道でリフォーム事業を展開するクレアスト(札幌市)を子会社化する。
北海道で積水化学の住宅ブランドであるセキスイハイム以外の一般建築物を対象としたストック(リフォームや買取再販の対象となる過去に建築され、現在も存在している建物)事業を強化するとともに、リフォームの施工体制を増強するのが狙い。
2026年3月期を最終年とする3カ年の中期経営計画「Drive2.0 -The 2nd phase for 2030-」で打ち出しているリフォームや不動産(買取再販など)、まちづくりなどに経営資源を投入するとの方針の一環で、同社では「今後もこのような成長投資を活発化することで、事業のさらなる拡大を目指す」としている。
中期経営計画では、3000億円のM&A枠を設けており、第2弾のM&Aはそう遠くはなさそうだ。
クレアストは、札幌市を中心に戸建住宅やマンションの増改築や建替え、リフォームなどのほか、オフィスビルや飲食店などの内外装、水回り工事、買取再販などの事業を展開しており、2023年10月期の売上高は10億円だった。
積水化学はクレアストが持つ技術やノウハウ、営業網、施工能力を取り込むことで、大きな住宅リフォーム市場である北海道でストック事業を強化するほか、セキスイハイムオーナー向けのリフォームの施工体制を増強するとともに、将来は全国主要地域への展開も検討する。
矢野経済研究所が2024年9月に発表した「住宅リフォーム市場に関する調査」によると、コロナ禍の在宅長時間化による需要増の反動で、2024年の住宅リフォーム市場は前年度比3.2%減の7兆1000億円に減少するものの、その後は徐々に回復に転じ、2030年には7兆5000億円に達すると予想する。
積水化学ではこうした需要を取り込むとともに、人口減少に伴い増加している空き家についても、今回のM&Aを通じて対応を強化することで、循環型社会やSDGs(持続可能な開発目標)の推進に貢献できるとしている。
積水化学が、現中期経営計画中に企業や事業を譲り受けたのは、2023年9月に発表した信越ポリマーの塩化ビニール管・継手の事業譲受と、今回のクレアストの子会社化の2件に留まっている。
前中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)では、コロナ禍の影響の長期化で構造改革を優先したこともあり、M&A投資がゼロだったことを踏まえ、現中期経営計画ではM&Aなどの成長投資を積極化する方針を打ち出している。
現中期経営計画では、2026年3月期に売上高1兆4100億円(2023年3月期比13.4%増)、営業利益1150億円(同25.4%増)の目標を掲げる。この数字にはM&Aは含まれていないため、M&Aを積極化することでこれら数字が上振れする可能性がある。数字はどこまで伸びるだろうか。
配信元:M&A Online
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
人事のお役立ちニュース