9月のトレンドワード
1対1面談
1対1面談とは、上司1人と部下1人で定期的に行う面談です。
「面談」というと、評価面談や数字進捗を問うものを思い浮かべる方も多いと思いますが、1対1面談は評価面談とは明確に目的が異なるものです。1対1面談の目的は状況によって様々ですが、ポイントは、「部下のために設けられる場」であるということです。「部下の日ごろの不安の解消」「部下のアイデア共有やフィードバック」「部下のキャリアサポートの一環」といったように、部下を支援するための様々な目的が考えられます。
1対1面談は1~2週に1回程度、「日常のコミュニケーションとは別に」「定期的」に場を設けることで効果を発揮します。日常の忙しさに流されて面談が後回しにならないよう、前もって日付を決めておくことや、急に都合がつかなくなった場合もキャンセルではなくリスケジュールするといったルールがあると、運用しやすくなります。また、組織に制度を導入する際は、面談の場が部下を「詰める」場にならないよう、まずは普段から比較的良い関係が築けているチームへの試験導入から始めると、軌道に乗りやすくなります。
1対1面談で上司に必要なスキルは、なんといっても「対話力」です。部下が「話しても仕方がない」「どうせ否定されるから言いたくない」と感じるような上司では、面談の意味をなさなくなります。対話を通して部下の心中を掘り下げる「傾聴力」「質問力」のみならず、部下の緊張を解く雑談ネタの豊富さや、キャリアについてのアドバイスをするための経験と知識量も大切です。また、世代が大きく離れた部下は異なる価値観を持っている場合が多いですが、それを否定しないのも面談をうまく進めるコツの1つです。
良質な1対1面談は、普段から何でも話せる信頼感を育てます。上司への信頼感は、部下にとって働きやすい環境をつくり、成果にも繋がりやすくなります。また場合によっては、部下のメンタル不全の早期発見や離職防止などの効果も期待できます。部下にとって、上司にとって、そして組織全体にとって有意義な1対1面談の導入を、ぜひご検討ください。
Pick UP
- 面談を通して部下の多様な価値観を尊重しながら支援する
- 「引き出す力」で組織のパフォーマンスを最大化する
- 上司と部下の密なコミュニケーションで、強みや制約を把握する
- 風通しのよい職場をつくるために、相談にのる際のポイントを学ぶ
- 面接官としてのマインド、知識、スキルを実践的な模擬面接で習得する