今回、「次世代経営者養成」というテーマでゼミナールをやろうと思った動機は何か
会社の経営には定石といいますか、ひとつのパターンがあります。そういう「ルール」があることに気づいたんです。それを「できるだけ若いうちに知っておいてもらった方がいい」と思ったことが、このゼミナールをやろうと思った動機です。
私はインソースという会社を経営しており、15期連続で増収を続けています。また、昨年、上場もいたしました。
私は、昔から脚光を浴びたり、評価されてきた人間ではありません。それでも、今、企業を経営でき、成長させているのは、ある一定の「ルール」通りにやってきたからです。その「ルール」を将来の経営幹部となる方には知っておいてもらいたいのです。
ゼミナールに参加したからといって、明日からすぐ企業経営が上手にできるとは断言できません。しかし、考え方のベースは作れると思います。それが「次世代経営者養成ゼミ」をやろうと思ったきっかけです。
「社長の仕事」とは何か
「社長」は、単なる「経営者」という専門職なので、絶えず、短期的にも長期的にも、会社の財産、利益をいかに増やすかということを、一心に考える仕事です。
そうすることで、業績を向上させ、企業規模を大きくし、社員の所得をアップさせて生活に夢が持てる様にする。そういうところが一番大事な仕事です。専門職として、当たり前の役割を丁寧にやっていくのが、社長の仕事をやり、業績を伸ばすポイントだと思っています。
企業を成長させるための「社長に必要なスキル」とは
社長には「状況判断力」が必要です。
企業を成長させるためには、自分の組織がどんなレベル・状態なのかを冷静に判断し、都度都度、マネジメントのやり方を変えていく「状況判断力」が重要です。
その際は、組織の規模、熟練度を判断基準にしています。まず、熟練度の高い組織は方向を示すだけで動いていきます。しかし、熟練度が低い組織には、仕事のやり方から教えていかなければなりません。
特に組織の規模が小さく、熟練度が低いベンチャー企業では、その仕事のやり方を自ら考え、教えるところから「社長の仕事」が始まります。いわゆるマネジメントだけをやっていても、成果は上がりません。
また、組織に熱意(パッション)があるかどうかも、組織運営上は重要です。社員それぞれに「業績を上げたい」という熱意が高ければ業績向上のスピードは上がります。しかし、熱意が低い場合は、自ら率先垂範して、社員の熱意を喚起するのが社長にとって最重要の仕事です。何でも良いのです。社長が考え、体を張って、小さな成果を上げる。「ああ、この人についていって大丈夫そうだ」と思わせる事が大事です。
ここを理解することなく、コンサルタントの様に「良いやり方」を提示するだけでは、まず業績は上がりません。
何のために事業を行うのか。事業目的とは何なのか
「何のために事業を行うのか」というのは大事なポイントです。「利益は大事」ですが、最終的に「社会のために良いことをする」という視点がないと、会社は大きくならない。「自分たちが頑張って社会のどこかを良くする」「社会がちょっと良くなったらいいな」という想いが必要です。そういう「善なる目的」を持って、そこににたどり着くためには、どうすればいいのか、と考えることで事業と事業目的は固まってきます。
事業目的は最初から明確に見えているものか
私には見えてなかったですね(笑) 会社の設立当初はやっぱり食べるために必死でした。ただ、確かに食べるために必死になることはもっともだけれども、かといって、目先の利益ばかりを追求していたら、会社は続きません。そんな中で、みんなで「より良くしたい」という想いをもってひとつになって業務を進めていると、利益も上がるし、何か、社会がちょっとよくなる気がする。という様に最初はもわーっとしていて、だんだん姿が明確になってくる感じですかね。そんなものでいいと思います。
「インソースの事業目的は?」というと、今は「働くを楽しく」ですね。
組織と目的だけでは企業の事業は成り立たない。どこに気をつけるべきか
ゼロから事業を立ちあげたり、事業を継続するためには、事業目的、組織作りに加え、商品・サービスを作り・売ること、コスト管理、ブランド作りを通じて、稼ぐことではないかと思います。最低限、すべて及第点を取っておかないと、事業は成長していきません。
ビジネスにおいては「1:9:90の法則」というのがある
商品を作って売上が上がるまでの価値について、「なにかアイデアを思いついた」の価値は1%で、「それを作った」で9%、それを「徹底的に売った、普及させた」ことの価値は90%だと考えています。
「なにかを思いつく」ことは、そんなにすごいことではなく、売れるまで、最後まで徹底してあきらめずに商品・サービスを改良したり、工夫したりして良いモノを作り、売っていく、普及させることが企業にとってとても難しいものです。あきらめたらそこで終わりです。売り切っていくことが大切なんです。
コスト管理のコツは、小さな単位でコスト管理をすること
特に日常、ルーティーンで発生する、人件費、交通費などのコストは冷静にコントロールする必要があります。売上が大切と言っても、売上至上主義でコストかけ放題では、売上成長が止まるととたんにお金に詰まり、成長を続けることができなくなってしまうからです。
しかし、新規事業など試行錯誤が必要な事業でコスト管理を厳格にやりすぎると、事業自体をつぶしてしまうことになります。このあたりのバランスも重要です。つまり、収益化している業務と新規事業は管理の仕方を変えることが大切です。昨年、弊社が上場してからは特にこの点がよく分かりました。
インソースは研修業界では新興企業ですので、ブランドの確立には苦労してきました。ブランドは企業にとって極めて大事ですね。どんなに小さな会社でも自社のブランドを確立するべきです。ブランドというのは商品・サービスの品質、期待、わくわく感、会社の歴史、社員の意識、行動などが混ざり合ってできていくもの、醸し出していくものだと考えています。
ブランドがあるからこそ、誰が営業に行っても、「その会社の人だ」と、「その会社の商品だ」と思ってもらえます。言い換えれば、お客様にとっては安心感、期待感ですね。よって、ブランドが確立できるかどうかが、企業が成長するかしないかを分けるのかな、と思います。だから、よって、社長はブランドは大事にしなきゃいけないし、意識して成長させていくべきです。
「次世代経営者養成ゼミナール」では、このような会社経営の経験をもとにした知見をお伝えするとともに、毎回、様々な切り口でワークショップを行い、参加される皆さまとのディスカッションを通して、課題解決の糸口を見出していきます。企業経営について、新しい発想やヒントを得たい方はぜひご参加ください。
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