第3条 "良い講師"を選び「躾」を意識すべし!
管理職経験のある30代半ばから40代半ばの方がベスト
講師は良い人から順に仕事が決まります。良い講師を選びたければ、早く"いい人"を押さえましょう。
新入社員研修の"良い講師"とは「新人の気持ちも少し分かり、なおかつ経験も実力もある人」。年齢でいうと、新入社員+20歳以内になります。
また、講師は部長や課長など管理職を務めた人が良いでしょう。それは、「会社」や「仕事」が"どういうものなのか"をよく分かっているからです。
例えば、あまりビジネス経験の無い講師だと、「名刺交換は、ゆっくりと落ち着いて、美しく渡しなさい」と教えますが、現場で求められる「名刺の渡し方」はそれとは全く逆です。名刺交換の場では、たとえ新人でも、カタチや表面の丁寧さではなく、「スピード」が要求されます(客先では、「相手に早く名刺を渡すこと」が、まず両者の"緒戦"となります)。
また、「スピード」と合わせて、ビジネスの場では、「仕事の堅実さ」が求められますが、これも現場で培い、かつ成功した管理職の方が教えるのが一番説得力があります。
新入社員研修でインパクトがあるのは、ビジネスの現場を良く知っており、仕事の勝ち負けを知っている人です。一番良いのは、自社の優れたビジネスパーソンが新入社員研修をすることですが、現場の"一線級"の人を休ませるのはなかなか無理な話ですし、その人に「教えるスキル」があるかどうかは、また別の問題です。
そのため、講師は外部に求める企業がほとんどだと思いますが、良い講師の選び方は、
- 現場でセールス・業務などに実績のある、現役の「デキる」ビジネスパーソン
- 接客の現場で苦労を経験し、ある程度成功した人
- 企画を構想段階だけでなく、実際に実現させた人
これらのことをくぐりぬけて、管理職になった方に研修をやっていただくと、ほぼ間違いありません。額に汗して苦労し、かつ成功した人(=管理職)を講師にすると、新入社員研修の際に良い成果が出る可能性が高いでしょう。
新入社員研修は"しつけ"~研修で講師に話してもらうこと
他の研修もそうですが、特に新入社員研修には研修の"型"があります。
「報・連・相」・「名刺のもらい方」・「宛名の書き方」・「ビジネス文書」・「電話応対の基礎」など・・・ひと通り、"定番"のことを学ぶ必要があります。
新入社員研修においては定番のメニューは、ひと通り"型"通りにやっていただきたいと思っております。というのは、新入社員研修は、"スキルをアップさせる"というよりは「躾」です。このことを意識しているかが重要です。
仕事に対する姿勢・意識の問題や、ビジネスで当たり前に要求されること、これらは"新人"のうちに必ず学ばなければいけないことです。そして、それは若い間にしかできません。また極端な例かもしれませんが、新人の中には「成功さえすれば8割ぐらい会社に来ればいいと思っていた」、「実績をあげれば、毎日、9時に来なくてもいいと思っていた」、「仕事中、関係ないおしゃべりをすることが、上司・先輩とコミュニケーションを取ることだと思っていた」など、信じられない話を聞くこともあります。
ただ、少ないながらも「ウチの会社だけは」とは思わない方がいいでしょう。
さて、昨今、"個性"を伸ばす教育が小学校(幼稚園?)から叫ばれる時代ですが、社会人・ビジネスパーソンには、最低限守らなければならない"ルール"があります。繰り返しになりますが、新入社員研修では、「働く上で必要な意識は、新入社員研修で徹底的に躾ける」という意識が重要です(新入社員研修で学ぶことは、個々の能力に関係なく誰でも"必ず"身につけることができます)。その"働く意識"の土台の上に、その人特有の「個性」や「スキル」が積み上げられていくのです。