第9条 経営陣からの講話を有効に使うべし!
経営陣の訓示を単なる"儀式"にしない!
経営陣には、新入社員の方々に社会人として大事なことや会社で働く意味などを話していただきますが、その際には自分や会社が何を目指すべきかという理念を、新入社員の今後のモチベーションのアップや維持のために、ダイレクトに語っていただいてください。それができるのは経営者だけです。
新入社員研修の訓示を単なる"儀式"として終わらせるのはもったいないことです。経営者にしかできないことをしっかりやってもらいましょう。
経営者は、新人に対して最も興味・期待をもっています。快く引き受けてくれることでしょう。
新入社員を腐らせない
新入社員は、会社に入ってすぐは、枝葉末節の仕事にしか携わることができません。そのため、新人の中には次第にモチベーションが低下し、気持ちが"腐ってくる"人も出てきます。
そんな時、経営者が美辞麗句ではなく、直接新入社員に理念を熱く語ることで、それに心動かされた気持ちが残っていれば、モチベーションの低下を防ぐことができます。
特に、新入社員は若いので、頭が柔軟であり、新しい思想により、精神が純化されやすいものです(明治維新の思想家も若い人たちが多かったように)。
具体的にどのようなことを話してもらうか
では、以上のことを踏まえて経営者にはどのような話をしてもらうのが有効なのでしょうか?
- 会社として社員に何を期待しているか
- その逆に自社の社員として「やってはいけないこと」
- 自社の仕事の深みや楽しみ、社会的意義
以上の"理念"を経営者に話してもらえば、新入社員は会社が自分たちに何を求めているかという基準が明確に分かり、判断を決定しやすくなりパフォーマンスが向上します。
上記のことは、職場の上司にも新入社員に伝えてほしいことですが、まずは新入社員の第一歩として、経営者に話していただきましょう。
古くから伝統があり現在でも成功している企業は、先代の社長の理念や先人の「逸話」などがたくさん社内で共有されており、会社の理念が隅々まで徹底されています。そのため、社員全体がこういう時にはどうすべきかという判断を素早く行うことができ、また仕事に対する理解も総じて早くなります。