自分に合った財形貯蓄とは?ライフプランから考えよう
2018.12.26
- ライフ
「財形貯蓄」は、社会人であれば聞いたことがある方がほとんどです。しかし、実際どう利用したら良いのかなど疑問も出てくるのではないでしょうか。そこで今回は、財形貯蓄の種類とは、また、ライフプランに役立つ選び方とはどんなものなのかをご紹介します。
財形貯蓄とは?
財形貯蓄とは、「勤労者財産形成貯蓄制度」のことです。
厚生労働省所管の「勤労者財産形成促進法」に基づいて導入されました。
財形は、給料やボーナスから天引きされることでお金を貯めます。勤め先が金融機関と提携して行われる制度で、財形貯蓄を導入している勤め先ならば、会社員や公務員、また、勤務先によっては契約社員やパートでも財形貯蓄を利用できます。
一方、会社役員や自営業者は対象外となります。
財形貯蓄には3つの種類がある
財形貯蓄には、3つの種類があります。
■一般財形貯蓄■
一般財形貯蓄とは、使用目的は限定されず自由に使える財形貯蓄です。貯蓄開始から1年経てば、いつでも払い出しができます。
■財形住宅貯蓄■
財形住宅貯蓄は、住宅の購入や増改築のための資金づくりを考えている方におすすめです。財形年金貯蓄と合わせて、貯蓄残高550万円までは利子等非課税です。住宅の購入等の目的以外でも払い出しはできますが、その場合は課税されます。
■財形年金貯蓄■
財形年金貯蓄とは、60歳以降に年金として受け取ることを目的とする財形貯蓄です。財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円まで利子等非課税です(保険商品の場合は、払込額385万円まで)。財形住宅貯蓄同様、年金以外の払い出しには課税されます。
財形貯蓄のメリットとは
銀行の預貯金にはない、財形貯蓄のメリットとして、下記のことが挙げられます。
■550万円まで非課税■
普通預金、定期預金等につく利子は収入とみなされるため20%課税されますが、住宅財形と年金財形は、貯蓄残高550万円までが非課税です。
■給与天引きで自然にお金が貯まる■
計画的な貯蓄が苦手な方でも、財形貯蓄は給与から天引きされるため、自然にお金を貯めることができます。
■財形住宅融資の利用■
3種類のいずれかの財形貯蓄を1年以上利用していて、残高が50万円以上ある人なら、残高の10倍(限度額4,000万円)まで、住宅取得のためのお金を80%借りることが可能です。
財形貯蓄のデメリットとは
財形貯蓄のデメリットとは、次のようなことが挙げられます。
■「非課税メリット」はゼロに近い■
前述のとおり、住宅財形、年金財形は550万円まで非課税ですが、低金利の現在では得られる金利自体が少ないため、それにかかる税金が非課税になったとしても金額的には大きくありません。
■目的以外での払い出しには課税される■
様々な条件がありますが、財形住宅貯蓄を例にした場合、基本的には新築や増改築にしか使えません。それ以外で払い出しをした場合は課税されます。
見つけよう!ライフプランに合った財形貯蓄
初めて財形を利用する方は、どれを選んだら良いのか悩むかもしれません。
「一般財形」なら、気軽に始めやすいでしょう。受け取った給与を自身で預貯金するのと違い給与から天引きされる財形なら、有無を言わさず自然にお金が貯まります。
また、勤務先によって払い出し受付期間や払い出し日が決まっていますが、1年経てば使途に限らずいつでも引き出すことができます。
将来的に住宅の購入を考えている方なら財形住宅融資を受けられるメリットがありますが、現在は銀行の優遇金利と金利差がそれほどない場合もあります。
また、融資を受けている途中に転職すると、退職時に融資の残高を全額返済する必要があることなどから、将来転職を考えている方はよく検討する必要があります。
財形はライフプランを明確にしてから
財形貯蓄を、一般的な「貯金」目的とするか、長期プランで住宅購入を考えた「住宅財形」にするかなどで、利用する種類は変わってきます。
「お金が引き出しにくい」ことからお金が貯まるともいえる財形。「とりあえず100万円を貯める!」などの目的には向いているといえます。
長期でライフプランを考える場合は、財形だけの貯蓄にせず、将来必要になるお金や目的に合わせて、あらゆる金融商品と比較検討してみるのが良いでしょう。
配信元:日本人材ニュース
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