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働き方改革

厚生労働省によると、働き方改革とは「働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で『選択』できるようにするための改革」と定義されています。

日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上や、就業機会の拡大、意欲・能力を存分に発揮できる環境の創出が欠かせません。その解決策として、政府では以下の3つの視点を重視した具体的な施策を打ち出しています。

①労働時間の是正
②正規、非正規間の格差解消
③多様で柔軟な働き方の実現

このうち、①と②の具体策として、「年次有給の時季指定」、「時間外労働の上限規制」、「同一労働同一賃金」について定めた「働き方改革関連法案」が成立し、 2019年より順次施行されています。なかでも「年次有給の時季指定」と「時間外労働の上限規制」について、違反する企業には30万円以下の罰金が科せられます。「同一労働同一賃金」についての罰則はないものの、 非正規雇用者から正社員との待遇格差について損害賠償を請求されるケースが増えることも予想されます。

経営サイドが求めるのは、「労働時間を短縮させつつも、従来通りの業績を上げること」です。しかし、特に策がないまま残業規制をかけても、 従業員サイドは「従来よりも大幅に短い労働時間で仕事を終える」という厳しい要求を突き付けられたと感じるだけで、働く意欲の低下を招きかねません。先行して残業削減に取り組んでいた組織からは、 「時間削減で品質も下がってしまった」、「自分の仕事を済ませて早々に退社する人とそうでない人との間に軋轢が生じ、職場内の信頼関係にヒビが入ってしまった」といった声も聞かれます。 「働き方改革」の推進が、かえって企業の体力を低下させる結果を招くことは避けねばなりません。

一連の「働き方改革」に向けた取り組みを成功させるためには、「働き方改革」を推進する"意義"を、経営陣から末端の社員に至るすべての人が理解し、 納得することが出発点となります。時間意識の向上、多様な人材・働き方を活用した柔軟性の高い組織づくり、チームワーク向上、業務の効率化、適切な評価とフィードバックなど、 これまでのあり方を抜本的に見直す必要があります。多様な人材が活躍できる「働き方改革」の実現のため、関わる人材全員の意識改革を伴う「本気の取り組み」が、今こそ求められています。

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