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時短切れ
企業・組織が規定する時短(時間短縮)勤務の対象となる期間が過ぎてしまい、その制度が利用できなくなる状態を「時短切れ」と言います。
組織によっては独自の施策として「小学生になるまで」など制度の適用条件を緩和しておりますが、基本的には改正育児・介護休業法<※>にもとづき、時短勤務ができるのは「3歳に満たない子を養育する労働者」とされています。
保育園の待機児童問題が大きく取り沙汰されている昨今ですが、その問題を潜り抜けても、「時短切れ」の訪れにより、満足に保育園を利用することが難しい状況に追い込まれてしまう、という事態が発生します。
※参考:育児・介護休業法について~厚生労働省
(2019年6月28日最終アクセス)
また、俗に言う「小1の壁」の問題もあります。「小1の壁」とは、子どもが小学校に上がるタイミングで、仕事と子育ての両立がしづらくなることを言います。実際、小学生が放課後に通う「学童保育」は、保育園よりも運営時間が短く、夏休みには学校給食もお休みとなるため、お弁当を持たせなくてはなりません。朝から夜まで慣れた場所に預けることができた保育園時代に比べ、学校行事も増え、生活習慣や宿題などのフォローに悩むワーキングマザーも少なくありません。
この「時短切れ」や「小1の壁」のタイミングで転職や退職を考える女性が増えていることから、人材流出阻止に向け、残業の削減、育児休業など両立支援の枠組みを作る、といった取り組みが組織において重要になってきています。
そして労働者個人としては、短い勤務時間でも組織が求める成果をあげられるよう、生産性を向上させ、効率よく働くための工夫が求められています。
Pick UP
- 時短勤務を含む多様な働き方を受け入れる組織づくりについて学ぶ
- 出産・育休から復帰した従業員の支援方法について、管理職の立場から考える
- 組織におけるワークライフバランス実現に向けて、労基法等の基本を押さえる
- 全社的な時間外労働削減のための施策を考え、働きやすい組織へと改革する
- 業務の優先順位選定やPDCAサイクルによる改善で、効率的な働き方を追求する
- 個人単位でムダを減らす業務改善によって、成果と効率の両立を図る