2019年6月21日
人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、5月の転職求人数は前年同月比2.0%増、転職希望者数は同18.2%増となった。
求人数は前月比0.3%減、前年同月比2.0%増、転職希望者数は前月比5.3%増、前年同月比18.2%増だった。求人数は調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した前月から微減となったものの、最高水準を維持している。
求人倍率は前月比0.12ポイント減、前年同月比0.33ポイント減の2.07倍だった。
求人数は、最長で10連休というゴールデンウィークがあり、例年よりも休日が多かったため、前月と比べ微減となった。
転職希望者数は、連休明けから転職活動を始める人が多く増加した。求人数が減少し、転職希望者数は増加したため、求人倍率は前月から0.12ポイント下降した。
業種別にみると、求人数の前月比は8業種(その他を含まない)のうち「金融」、「小売・外食」、「IT・通信」の3業種で増加した。特に伸びたのは、「金融」(前月比5.9%増)、「小売・外食」(同3.5%増)。
「金融」では、生命保険や保険代理店で営業職や事務スタッフの採用が活発となっている。前年同月比でも39.1%増と業種別で最も伸びている。
「小売・外食」では、インターネット通販やファストフードの需要が上がっているため、増員を図る企業が多く、求人数が増加した。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
金融 5.9%増
小売・外食 3.5%増
IT・通信 1.0%増
メーカー 0.1%減
商社・流通 0.4%減
メディア 0.6%減
サービス 1.9%減
メディカル 6.7%減
その他 5.2%減
職種別では、求人数の前月比は11職種のうち「事務・アシスタント系」、「技術系(化学・食品)」、「営業系」、「販売・サービス系」、「企画・管理系」、「技術系(IT・通信)」の6職種で増加した。特に伸びたのは、「事務・アシスタント系」(前月比18.4%増)、「技術系(化学・食品)」(同14.9%増)。
「事務・アシスタント系」では、営業事務や一般事務などを増員する企業が増えている。
「技術系(化学・食品)」では、製品開発や研究開発の求人が増えており、メーカーだけでなく、技術者派遣の人材サービス企業でも採用が活発化している。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
事務・アシスタント系18.4%増
技術系(化学・食品)14.9%増
営業系 2.1%増
販売・サービス系 1.8%増
企画・管理系 0.7%増
技術系(IT・通信) 0.2%増
技術系(建築・土木)1.8%減
専門職 2.4%減
クリエイティブ系 4.0%減
技術系(電気・機械)5.5%減
技術系(メディカル)7.8%減
今後の転職市場についてパーソルキャリアでは、「これまで採用を行っていなかった企業やポジションでの求人も増えているため、6月以降も求人数は緩やかに増加するだろう」と指摘する。
また、「2020年入社者の新卒採用が6月末ごろにはいったん落ち着くため、7月以降は中途採用にさらに力を入れる企業が増える見込み」とした。
配信元:日本人材ニュース
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