2024年3月11日
帝国データバンクが実施した「2024年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、企業の59.7%で賃金改善があると見込んでいることが明らかとなった。
2023年度の企業の賃金動向について聞くと、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある」と見込む企業は59.7%と3年連続で増加、2006年の調査開始以降で最高を更新した。
一方、「ない」企業は13.9%と前回調査(17.3%)から3.4ポイント低下し、調査開始以降で最も低い水準だった。
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賃金改善の状況について企業規模別にみると、「大企業」、「中小企業」、「小規模企業」のすべてで、前回調査の2023年度見込みから賃金改善見込みの割合が上昇した。
また、従業員数別では、「6~20人」、「21~50人」、「51~100人」、「101~300人」で6割を超えている。「5人以下」(41.3%)では賃金改善を行う割合が低くなっているが、初めて4割台に達した。
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賃金改善の状況について業界別にみると、「製造」(64.7%)が最も高く、「運輸・倉庫」(63.7%)や「建設」(62.5%)が続いている。
業界別の動向について帝国データは「2024年4月から時間外労働の上限規制が始まるトラックドライバーや建設業界などで、賃金改善を実施する企業の割合が昨年より高まっていた」と指摘する。
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賃金改善の具体的な内容をみると、「ベースアップ」が53.6%(前年比4.5ポイント増)、「賞与(一時金)」が27.7%(同0.6ポイント増)となった。「ベースアップ」は過去最高となった前年の49.1%を上回り、3年連続で調査開始以降の最高を更新するなど、初めて半数を上回った。
2024年度に賃金改善が「ある」と回答した企業に、その理由を尋ねたところ、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が75.3%(複数回答、以下同)と最も多かった。
また、昨年の調査から尋ねている「従業員の生活を支えるため」は 63.7%だった。前回よりは低下したものの、依然として6割を超える水準となっている。
今回初めて尋ねた「採用力の強化」(35.8%)が4番目にあげられており、帝国データでは「賃金改善を通じて採用活動へのプラス効果を期待している様子がうかがえる」とした。
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賃金改善が「ない」企業にその理由を尋ねたところ、「自社の業績低迷」が56.3%(複数回答、以下同)と2023年度見込み同様に最も高くなった。
調査は、 2024年1月18日~31日、全国2万7308社を対象に実施し、1万1431社の有効回答を得た。
配信元:日本人材ニュース
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