どんな職業人になりたいか?中長期的な目標を定めて「能力開発」に励もう!
2019.08.02
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企業は従業員の職務遂行能力に対して、対価を支払っている。つまり、職務遂行能力が高まれば高まるほど、給与が上昇する可能性があるわけだ。この職務遂行能力の向上に必須のものが「能力開発」。能力開発を行うことで、職務遂行能力が高まり、以前できなかったこともできるようになる。企業における能力開発はOJTがメインだが、これだけでは正直なところ、物足りない。職務遂行能力を高めるには、OJT以外のものも積極的に取り入れる必要がある。この記事では、能力開発の必要性について解説する。
「能力開発」が必要な理由
能力開発の詳細について言及する前に、なぜ能力開発が必要か考えてみよう。インターネット産業を例にとって説明する。
インターネットの歴史は、たかだか数十年であるが、技術進歩は目覚しい。かつては、ホームページを制作しようとしても、制作できる人がほとんどおらず、費用も20~30万円かかったものだ。
しかし、現在はインターネットに詳しくない人でも簡単に制作できる時代になった。また、費用も場合によっては数万円程度で済む。
何を言いたいかといえば、技術は日進月歩で能力開発を怠ると置いていかれてしまうということ。もし、数十年前にホームページを制作していた人が、能力開発を何もしなければ……、もちろん職を失うことになろう。
つまり、能力開発は仕事を得るために必須のものである。好む好まざるを問わず、職業生活を続けるためには能力開発が必要不可欠なのである。
OJTに依存する「能力開発」
入社後は、先輩社員についてOJT(on-the-job training)を受けるケースがほとんどだろう。先輩社員のやり方を学び、業務に習熟していく。
中小企業の場合は、OJTのみというケースが大半。しかも、教え方を学んでいない先輩社員も多く、OJTがうまくいかないこともある。最悪の場合、新入社員が先輩社員のやり方に耐えられず、離職することもあり得る。
OJTには、目的と計画が必要だ。新入社員などにOJTを行う場合、なんとなくOJTを実施するのではなく、新入社員のあるべき姿はどのようなものか、そしてどのくらいの期間で成し遂げるのか先輩社員も含めてしっかりと議論することが大切だ。
「Off-JT」を行う理由
「Off-JT」(off-the-job training)とは、仕事を離れて研修を受けることを意味する。例えば、自治体や業界団体などが開催するセミナーや研修会への参加などが該当する。
「Off-JT」は、一般的にOJTで身に付けた知識や経験を体系化することに役立つ。仕事から離れて研修を受けることで、客観的に仕事を見ることができるようになる。その結果、OJTへのモチベーションがアップしたり、学習効果が高まるケースもある。
企業は、このOJTとOff‐JTを組み合わせて能力開発を行っている。
「能力開発」を自主的に行う時代に突入
OJTおよびOff-JT、いずれも企業から従業員に対して提供されるものだ。この二つを受けていれば、勤務先では十分に仕事ができるようになるだろう。もし、あなたが経営の安定した大企業に勤務していれば、能力開発についてあまり考える必要はないかもしれない。
一方、中小企業の従業員はどうだろうか。経営が安定しておらず、いつ放り出されるかわからない時代だ。OJTを受けていれば、勤務先での仕事はできるようになるが、そこで身に付けた職務遂行能力がほかで通用するかは未知数だ。
そのため、能力開発は自分で行うべきなのである。現在勤務している会社を離れても、通用する力や人を管理する力を自己責任で開発していくのだ。
「能力開発」のポイントとは?
能力開発には、中長期的な目標が必要だ。例えば、企業の管理職を目指す場合は、現在やっている仕事だけでなく、ほかの部署がやっている仕事への理解度を深めることも一案だろう。
もしほかの会社への移動を考えるなら、そのために必要な能力を養おう。不動産業界なら、宅地建物取引主任者やマンション管理の資格を取得するのもよいだろう。もちろん、資格だけではなく、不動産価格の査定方法などを身に付け、いつでも引き出せるようにしておくのも手だ。
能力開発はやみくもに行うべきものではない。前述した通り、中長期的な目標を持ち、自分のあるべき姿、未来を見定めたうえで行うべきだ。そうすることが自己責任による能力開発につながる。
生涯現役であるためにも「能力開発」が必要
超高齢社会に突入し、定年になってもなお働く必要がある。20~30代の若者は、年金財政のひっ迫により、十分な年金を得られない可能性だってある。
そんなときに頼れるのは、自分の能力だけだ。能力開発を行い、時代に即応すれば、年齢を重ねても稼ぎ続けることだって可能である。
能力開発の内容は、勤務先に依存するもの。OJTが能力開発の中心であるだけに、それは致し方ないことだ。しかし、それだけでは生涯に渡って通用する力を養うことなどできない。
能力開発の意味や必要性を学ぶことは、自分がどのような仕事をしたいか再考するきっかけにもなる。目の前の仕事をこなすことに忙しいと思うが、ぜひ、一度立ち止まって能力開発について考えてほしい。
配信元:日本人材ニュース