2018年10月05日
東京商工リサーチの調査によると、社長「輩出率」は徳島県が1.40%(前年1.36%)で 4年連続トップとなった。
社長「輩出率」トップは、徳島県が1.40%(前年1.36%)で 4年連続トップとなった。高い輩出率の要因について東京商工リサーチでは「堅実・実利を尊ぶ県民性のほか、ブロードバンド環境の整備を進め、先端産業・ベンチャー企業集積も目指している」と分析した。
一方、「徳島県の人口は73万7226人(2018年8月1日時点推計)。19年連続で減少し、戦後初めて75万人を割り込んだ前年から、さらに減少が続いている。関西圏に近く、住民の転出数が転入数を上回り、人口動態が社長輩出率トップに影響している可能性もある」とした。
2位は山形県の1.28%。「辛抱強くて、堅実」な県民性に加え、江戸時代から商工業が活発な土地柄で、絹織物「米沢織」や「山形鋳物」など伝統工芸品が数多くある。
トップ5にランクインした都道府県について東京商工リサーチでは「総務省の人口推計において、いずれの県も人口減少率が全国平均0.17%減を上回り、人口動態の影響もみられる」と分析している。
輩出率が低いのは47位に埼玉県(0.26%)、46位に千葉県(0.28%)、45位に神奈川県(0.33%)と首都圏のベッドタウンが続く。輩出率上位県とは対照的に3県とも人口が増加しており、輩出率を相対的に下げている。
【都道府県別社長輩出率 トップ10】
1位 徳島県 1.407%
2位 山形県 1.281%
3位 香川県 1.188%
4位 秋田県 1.179%
5位 愛媛県 1.057%
6位 山梨県 0.996%
7位 広島県 0.984%
8位 大分県 0.982%
9位 島根県 0.973%
10位 福島県 0.967%
地元出身者が地元企業の社長を務める、社長「地元率」では、沖縄県が92.9%(前年94.1%)で8年連続トップとなった。
離島の地理的条件の他、産業構造が公共投資・観光・基地の「3K」に依存し、かねて「製造業の不毛の地」とも言われてきた。他県からの企業進出が少なく、雇用の受け皿も不足するなか、近年は観光関連を中心に好調な景気を背景に開業率が高い。
東京商工リサーチが5月23日に発表した2017年「全国新設法人動向」調査でも、新設法人数を「国税庁統計年報」に基づく普通法人数で除した「新設法人率」が、沖縄県は8.7%でトップだった。
「地元率」の上位は沖縄県に次いで、愛知県89.5%、北海道87.9%、広島県87.1%と続く。愛知県、広島県は地域の中核都市と同時に、自動車産業など基幹産業の取引先や関連企業などで裾野が広く、下請け企業なども先代の跡を継いだ同族社長が多い。
「地元率」が最も低かったのは鹿児島県の63.8%。次いで、奈良県66.7%、長崎県67.7%、兵庫県68.4%と続く。全国平均は79.7%で、21道府県で平均を上回った。
調査は、東京商工リサーチの企業データベース約480万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身地を抽出、集計した。なお、同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高の大きい企業を優先し、重複企業を集計対象外とした。集計対象外企業は22万1819社。
配信元:日本人材ニュース
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