2021年6月21日
東京商工リサーチの調査によると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数が6月3日、1万225人に達したことが明らかとなった。1万人を超えたのは前年(9月14日)より約3カ月早い。
2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数は6月3日現在、1万225人となり、2019年から3年連続で募集人数が1万人を超えた。
6月3日までに早期・希望退職者の募集が判明した上場企業は50社。業種別でみると、消費増税や外出自粛・在宅勤務の広がりで販売が低迷する「アパレル・繊維製品」の8社が最多。次いで、生産拠点や事業集約が進む「電気機器」が7社と続く。
さらに、コロナの影響を受ける「サービス」の4社は、いずれも観光だった。観光関連の募集は、過去10年間なかった。また、航空、鉄道を含む「運送」は4社で、2013年以来、8年ぶりに発生した。
業種別の傾向について東京商工リサーチでは「業種による新型コロナの影響はまだら模様に広がり、雇用面でも明暗を分けている」と指摘する。
募集が判明した50社の通期利益別では、約7割(構成比68.0%)に当たる34社が最終赤字だった。サービス関連(観光)、運送、外食も実施全企業が赤字、アパレル・繊維製品も1社を除く7社が赤字だった。
募集人数(募集時点の人数が非開示の場合は応募人数を適用)は、日本たばこ産業がパートタイマー、子会社の従業員を合わせて計2950人が対象で最多。次いで、KNT-CTホールディングスが1376人、LIXILが1200人で、1000人以上の大型募集は3社に達した。
一方、募集人数100人以下(若干名含む)は27件(構成比54.0%)で半数を超えた。アパレルや外食などの中堅企業のほか、製造業は全社的な募集ではなく、拠点の閉鎖や部門別での実施など小規模での実施も散見された。
配信元:日本人材ニュース
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