静坐~心に平安をもって現代に生きる
2019.12.02
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仕事をしていると、自分の思う通りに進まず、ストレスを感じることがよくあります。そのストレスを溜めないための方法の一つが「静坐」です。
心を落ち着ける、集中力の強化などの効用により近年、マインドフルネスに関心が高まっていますが、静坐は誰でもできるマインドフルネスの先駆けと言えます。
ストレスに負けない腹をつくる「静坐」とは?
ストレスを除いて、心を平穏に保って暮らしたい......誰もが願うことです。しかし現実には、ストレスはいつの間にか降り積もって心身の健康に影響を及ぼしてしまいます。睡眠負債・慢性疲労・頭重などの不定愁訴や自律神経失調症状があって、原因になる病気が見つからないときは、心の過労かも知れません。
静坐は、禅やマインドフルネスと同じように、心身を鎮静状態にする副交感神経を優位にして精神をリラックスさせる方法です。副交感神経が優位になると、多くの人はストレスの軽減・集中力の向上・人間関係の改善など好影響が実感できます。 中でも、静坐は宗教や団体などと関わりなく、儀式的な手順も条件もないため、多くの人の賛同を得て、欧米でも「SEIZA」として徐々に反響を呼んでいます。
静坐の目的
静坐は個人が心を静めるためだけに行う呼吸法です。 心身の健康を確保し、まさかの事態にうろたえない体質を身につけることが静坐の目的です。
人間の精神のあり方を三つに分けて、以下のように言われます。
「頭の人」=知の人。冷静、理知的だが知識に偏り、頭でっかちになりやすく、まさかの時は足元がふらふらして倒れやすい。
「胸の人」=精神の人。愛情深く努力家だが、依存や弱気にとらわれやすく、まさかの時に頑張れなくなると倒れる。
「腹の人」=自立の人。熱意と落ち着きがあり、意思が強固。肝が据わって何が起きても、まさかに強い平和な人。
静坐を習慣にすると、まさかに強い「腹の人」へと考え方が変化します。「大きな自然の流れの一部として、自分の成り行きを静かに受け止める」ことが心を平らにし、健康的な考え方に導くのです。
静坐の習慣化から期待できる効果
・副交感神経の働きを向上させ、心身が落ち着いた状態をキープできるようになる
・イライラや感情の爆発などを鎮静化して平常心を保てるようになる
・集中力が向上して、冷静な判断ができるようになる
・体幹が安定して身体が健康的になる
静坐の実践
「静坐」はオフィスでも、椅子に座ったまま簡単に実践することができます。
<姿勢>
椅子の前の方に浅く、もたれずに腰をしっかり立てます。
ひざの間は握りこぶし二つほど開け、足をしっかりと床につけます。
上半身、肩の力を抜き、みぞおちを落とします。
親指をもう一方の手で握り、手のひらを下にして下腹につけます。
<呼吸>
力まずに鼻から長ーくゆっくりと息を吐くと、自然に息が鼻から胸に入ってきます。
頑張って吸ったり吐いたリする必要はありません。慣れると呼吸は自然に平静になります。
<気持ち>
「何のために」「どのような効果のために」などと考えずに、心身を静かにして、ただ座って呼吸に集中し、吐きながら下っ腹に力を入れていきます。
<時間>
1日1~2回、起床後や就寝前などに30分前後ずつ行うと習慣化しやすく、自然にやりやすいです。
しかし、あまり時間に神経質にならず、無理なくできる時にしましょう。また、多く実行し過ぎても心身に弊害はありません。
<注意>
・力んで全身を堅くしたリ、力いっぱい呼吸する、など無理や我慢をしない
・重症状態、出血中、発熱中など、安静を要する時は行なわない
まとめ
静坐は、正しい姿勢や呼吸法など基本をしっかり身につけると、迷いなく実行できて習慣化しやすくなります。あまり「~ではいけない」「~であるべき」などと考えずに、「試しにやってみようかな」から始めてみましょう。たとえばラジオ体操やストレッチのように日々の習慣にすると、生活にメリハリがつき、続けやすくなります。
企業組織における人材育成の一環として、静坐を導入することもおすすめします。