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今はサービス残業が当たり前の時代!?サービス残業の実態に迫る

2019.12.09

  • ビジネス
  • ライフ

現在の日本には、労働基準法違反であると知っていながらも、従業員に対してサービス残業を強制している企業が多数存在します。その実態を知るためにも、今回はサービス残業の多い業界やサービス残業が発生している理由など、その実態についてご紹介していきます。

サービス残業とは?

サービス残業とは、企業が従業員に対して無賃金で残業させることをいいます。そもそも、労働基準法の32条では、「使用者は労働者に対して休憩時間を除いた1週間について40時間を超えて労働をさせてはならない」、「使用者は労働者に対して、1週間の各日、休憩時間を除いて8時間以上の労働をさせてはならない」と定められています。

万が一、労働基準法の規定時間以上の労働が必要になった場合には、企業側は従業員の規定以上の労働時間分に対して、「残業代」という形で別途賃金を支給しなくてはなりません。

しかし、今の日本には「サービス残業」という言葉を巧みに使い、残業代を支払わずに従業員に対して規定時間以上の労働を強制する企業が多く存在します。企業側から過度な労働を強いられた従業員は、心身の負担が大きくなり、中には病気や鬱になってしまった人もいるのが実態です。

しかしながら、従業員に対してサービス残業を強いる企業が増えているのは、どうしてなのでしょうか。それを探るためにも、次項からはサービス残業の実態について、さらに詳しくご紹介していきます。

サービス残業を実際にしている人の数は?

日本労働組合総連合会の調査によると、現在の日本では42.6%の人が「サービス残業せざるをえない状況になったことがある」と回答しており、従事者の約半分の人がサービス残業を経験しているということが明らかです。

なお、この調査を正社員の人だけに限定すると、一般社員では48.6%、主任クラスだと57.8%、係長クラスにおいては63.9%の人がサービス残業を経験していることがわかりました。この結果から、サービス残業は役職が上になればなるほど経験する割合が高くなるのが実態といえます。

サービス残業が多い業界とその理由は?

某転職情報サイトの調査によると、サービス残業の多い業界として挙げられるのが、IT業界、飲食業界、保育・介護業界の3つです。この3つの業界でなぜサービス残業が多いのか、その実態をみていきましょう。

IT業界でサービス残業が多い理由

IT業界に属する企業にはベンチャー系も多く含まれます。ベンチャー系は人件費を削減し、少しでも予算を浮かそうとすることから、従業員に対してサービス残業を強いる傾向があるようです。

また、IT業界は人手不足である上に、いつ起こるか分からないシステムトラブルにも即時に対応しなくてはならないことも多くあります。こういったことも、サービス残業を強いられる理由となるようです。

飲食業界でサービス残業が多い理由

飲食業界の中には、「従業員の労働時間は接客時間のみ、つまり来客がある時間だけ」と考える経営者もいるようです。

この考え方にのっとり、定額残業代を導入する店舗や接客時間だけを労働時間として認める店舗などが登場しはじめ、サービス残業が当たり前のものになりつつあると考えられます。

保育・介護業界でサービス残業が多い理由

保育・介護業界は人手不足な現状にあるため、従事者一人ひとりに割り振られる仕事量が多いという特徴があります。

また、業務時間中は入居者や子どもの対応に追われるためにデスクワークをこなすことができないため、業務終了後にそれらをこなすうち、サービス残業をすることになってしまう、というケースもあります。

サービス残業をしないための対策

会社に直訴する

本来、サービス残業はあってはならないものです。労働基準法に違反しているため、直々に会社へ訴えれば、サービス残業を発生させないための業務量の調整や残業代の支給など、何らかの対策を提案してもらえる可能性もあります。

労働基準監督署に相談する

サービス残業は労働基準法に違反しています。そのため、相談すれば、労働基準監督署が会社に対して労働時間に関する指導や未払いの残業代の支給要請を行ってくれます。

なお、労働基準監督署を動かすには、サービス残業を証明する資料が必要となります。また、会社の経営者側にとっては非常に厄介な問題であるため、相談・通報したことがバレると経営者側から冷遇される可能性があるのも実態です。この2点を踏まえ、労働基準監督署に相談・通報する際は、念入りに準備を行いましょう。行動を起こす前に、弁護士などの専門家に相談するのもおすすめです。

サービス残業のない職業の見分け方

サービス残業のない職業を見分けるためには、求人情報の内容をしっかりチェックしましょう。サービス残業のない会社の求人には、年収や給与、残業代の支給について、具体的な内容が記載されています。「残業なし」、もしくは「残業代全額支給」と書かれていれば、まず強制的な残業はないと見てよいでしょう。

また、その会社の離職率を調べてみるのもおすすめです。離職率の高い会社は労働環境が悪く、サービス残業も多い傾向にあります。反対に、離職率の低い会社は労働環境がよく、長期的に働きやすい傾向にあるため、サービス残業も行われていないと見てよいでしょう。

サービス残業を「当たり前」と思ってはいけない

サービス残業は、立派な違法行為です。企業の中には、サービス残業を行わない従業員に対してイジメや差別、冷遇をするところもあるようですが、そのようなブラック企業で働き続けても、なにひとつよいことはありません。世の中からサービス残業をなくすためには、一人ひとりの意識改革が必要です。

現在、サービス残業を行っているという方は、決して当たり前のことと思わず、何かしらの対策に取り組んでサービス残業がなくなるように動いてみましょう。会社に提案するのもよし、サービス残業をやめるのもよし。

働きにくさを感じた場合には優良な企業へ転職してみるのもよいかもしれません。

配信元:日本人材ニュース

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