同一労働同一賃金への対応進める企業は約6割、対応していない企業は約1割

2020年3月23日

同一労働同一賃金への対応進める企業は約6割、対応していない企業は約1割

 同一労働同一賃金に対応している企業は約6割に上っている一方、対応していない、できない企業が1割程度存在することが帝国データバンクの「同一労働同一賃金に対する企業の対応状況調査」で明らかとなった。

 自社における同一労働同一賃金への対応状況について尋ねたところ、「対応あり」(「既に対応済み」と「現在対応中」、「これから対応する予定」の合計)とする企業は59.2%となった。「対応していない(できない)」とする企業は13.9%と、1割程度だった。「これから対応する予定」(31.7%)は最も高く、4社に1社は「分からない」と回答した。

【同一労働同一賃金への対応状況】
既に対応済 11.7%
現在対応中 15.8%
これから対応する予定 31.7%
対応していない(できない) 13.9%
分からない 26.9%

 6割近くの企業では同一労働同一賃金への対応を進めているが、「同一労働同一賃金の影響で企業の負担が増える。設備投資を控えるなどの対応が考えられる」(化粧品小売、東京都)や「同一労働同一賃金による労務費負担増などの影響により、倒産する中小企業が増加することも考えられる」(飲食料品・飼料製造、香川県)という声にあるように、企業側の負担を危惧する意見が多数みられた。

 同一労働同一賃金への「対応あり」とする企業を規模別にみると、「大企業」が63.3%、「中小企業」が58.1%、「小規模企業」が48.3%となった。特に、適用を直前に控える「大企業」は「小規模企業」を15.0ポイント上回った。

 「対応していない(できない)」とする企業をみると、「小規模企業」で17.6%と他の規模より高かった。

 同一労働同一賃金への「対応あり」とする企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が72.3%と最も高かった。次いで、「サービス」(67.5%)、「製造」(61.2%)が6割台で続く。

 一方、「農・林・水産」(45.1%)や「不動産」(49.8%)が4割台となり、同一労働同一賃金への対応に業界間での違いが顕著に表れた。

【業界別 同一労働同一賃金への"対応あり"とする割合】
運輸・倉庫 72.3%
サービス 67.5%
製造 61.2%
小売 58.1%
金融 55.6%
卸売 54.3%
建設 54.0%
不動産 49.8%
農・林・水産 45.1%

 調査は、2020年1月20日~31日、全国2万3665社を対象に実施し、1万405社の有効回答を得た。

配信元:日本人材ニュース

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