2021年5月19日
2020年に本社移転を行った企業は全国で1979社に上ったが、このうち首都圏から転出した企業は288社と過去10年で最も多かったことが、帝国データバンクの本社移転動向調査によって明らかとなった。
2020年に本社移転を行った企業は、全国で1979社となった。前年(2011社)から32社減少したほか、リーマン・ショックの発生した2008年(2105社)以降で最も少なかった。
このうち、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に転入した企業は296社となり、3年ぶりに前年を下回った。
一方、首都圏から転出した企業は288社となり、2年ぶりに増加した。これは、東日本大震災が発生した2011年以降で最多だった2012年(287社)を上回り、過去10年で最多を更新した。
この結果、首都圏は2011年以降10年連続で企業の転入が転出を上回る「転入超過」となったが、転入超過は8社にとどまった。ピークの2015年(104社)と比較すると10分の1以下となったほか、転入超過の社数としては統計開始の1990年以降で最も少ない。
業種別にみると、首都圏への転入企業で最も多いのは「サービス業」の115社だった。7年連続で100社を超える水準だったものの、前年を6社下回り、2年ぶりの減少。次いで「卸売業」(50社)、「製造業」(39社)、「小売業」(32社)が続いた。
首都圏からの転出企業で最も多かったのは「サービス業」の96社だった。前年から3社減少し、2017年(114社)をピークに3年連続で減少。次いで「卸売業」の62社、「製造業」の51社と続いた。
今後の見通しについて帝国データバンクでは「2021年は特に本社所在地を選ばないサービス業などの企業を中心に首都圏からより離れた地域への本社移転の動きが加速することが見込まれ、首都圏は11年ぶりとなる企業の転出超過に転じる道筋が見えてきた」と指摘している。
配信元:日本人材ニュース
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