2022年12月13日
2022年の国内の女性社長の比率は前年比0.1ポイント増となる8.2%となっていることが、帝国データバンクの全国「女性社長」分析調査(2022年)で明らかとなった。
女性社長比率を経年でみると、統計として遡れる1990年は4.5%、2000年には5.6%、2010年には6.8%と、緩やかな上昇傾向で推移してきた。2020年には8%台となり、2022年調査では前年から0.1ポイント上昇した8.2%となり、過去最高を記録した。しかしながら、依然として1ケタ台である状況は変わらず、低水準が続いている。
女性社長を年齢構成比でみると、「70~74歳」が14.5%で最も高くなった。2019年から4年連続で最も高い。
2021年時点から1.4ポイント減少しているものの、一方で「75~79歳」が 9.9%と同0.7ポイント増となり、調査開始以降で最多となっている。60歳以上の女性社長は全体の59.7%を占め、平均年齢は62.9歳となるなど、女性社長の高齢化に歯止めがかからない。
女性社長比率を業種別にみると、「不動産」(17.2%)が最高となり、他業種より大きく差をつけ最も高い割合となった。次いで「サービス」(11.1%)や「小売」(10.8%)のような、消費者向けのいわゆる「BtoC」業態が中心となっている業種が続き、全体(8.2%)を上回った。
一方、「建設」は4年連続横ばいの4.8%で低水準が続いており、26年連続で最も低い割合となった。また、「製造」も5.5%と低く、24年連続で「建設」に次いで2番目に低い。他の5業種は 6~7%台で推移している。
【業種別 女性社長比率】
1位 不動産 17.2%
2位 サービス 11.1%
3位 小売 10.8%
4位 金融・保険 7.6%
5位 卸売 7.3%
6位 運輸・通信 7.3%
7位 鉱業 6.6%
8位 農林水産 6.1%
9位 製造 5.5%
10位 建設 4.8%
より細かい業種細分類別では、「保育所」が41.0%で唯一4割を超え、前年比0.5ポイント減少も引き続きトップだった。
次いで「化粧品販売」(35.6%)や「美容業」(34.2%)といった美容関連がともに3割台で、「老人福祉事業」(31.1%)、「身体障害者福祉事業」(29.0%)など社会福祉業界が続いた。
就任経緯をみると、女性社長は「同族承継」による就任が50.7%となり、全体の半数以上を占め最も高かった。男性社長の40.0%と比較して10ポイント以上高く、女性社長における中心的な就任経緯となっている。
次いで「創業者」が35.2%で2番目に続いた。男性社長の40.3%より5.1ポイント低く、前年からもほぼ横ばいとなっている。
その他には「内部昇格」(8.4%)や「出向・分社化」(2.6%)、「買収」(1.6%)、「外部招聘」(1.4%)が低い割合ながらも続いた。
女性社長の今後の見通しについて帝国データバンクでは「"過去最高ながらも低水準"という傾向に変わりはなく、こうした局面は今後も続くとみられる」と分析。
そのうえで「将来的に管理職や役員などの意思決定者ポストへ登用できる人材を育成するためにも、従前から叫ばれている子育て支援の充実や家事の負担軽減など、女性が活躍できる環境作りが第一歩となる」と指摘した。
配信元:日本人材ニュース
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