2023年12月22日
2023年の国内の女性社長の比率は前年比0.1ポイント増となる8.3%となっていることが、帝国データバンクの全国「女性社長」分析調査(2023年)で明らかとなった。
女性社長比率を経年でみると、統計として遡れる1990年(4.5%)から緩やかに上昇しているものの、小幅な上昇にとどまり依然として1ケタ台が続き低水準にとどまっている。
女性社長を年齢構成比でみると、「60~64歳」が13.4%で最も高かった。次いで「70~74歳」が13.3%となり、僅差で続いた。
日本全体で高齢化が進行しているなか、女性社長でも同様の傾向が表れている。60歳以上の割合は59.7%となり、1995年(42.6%)から17.1ポイント上昇し、全体の約6割を占めた。また、後期高齢者に該当する75歳以上の割合は20.6%となり、初めて2割を上回った。
男性社長も含めた全体では60歳以上は52.5%、75歳以上は 13.9%となっており、女性社長の高齢化が目立っている。
女性社長比率を業種別にみると、「不動産」が17.3%になり、他業種に大きく差をつけて最も高かった。次いで「サービス」(11.2%)や「小売」(10.9%)といった、「BtoC」業態が中心の業種が続き、全体(8.3%)を上回った。
他の7業種は8%以下で推移している。なかでも「建設」は5年連続横ばいの4.8%で低水準が続いており、18年連続の4%台、27年連続で最も低かった。
次いで「製造」が5.6%で続き、25年連続で「建設」に次いで2番目に低かった。
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より細かい業種細分類別では、「保育所」が40.5%で唯一4割を超えた。前年に続いてトップだったものの、2019年(43.3%)からは低下している。次いで「化粧品販売」(36.2%)、「美容業」(33.7%)といった美容関連や、「老人福祉事業」(30.8%)、「身体障害者福祉事業」(28.3%)など社会福祉関連が続いた。
就任経緯をみると、「同族承継」による就任が50.6%となり、全体の半数以上を占めており最も高かった。男性社長の40.2%と比較して10ポイント以上高く、女性社長における中心的な就任経緯となっている。
次いで「創業者」が35.2%で2番目に続いた。男性社長の40.1%より4.9ポイント低く、前年からも横ばいとなり、全体的な傾向は前年調査時点と大きくは変わっていない。
以下、「内部昇格」(8.5%)、「出向・分社化」(2.6%)、「買収」(1.7%)、「外部招聘」(1.5%)が続いたが、いずれも男性を下回っている。
調査は、帝国データバンクのデータベースをもとに、全国約119万社の事業会社を対象に女性が社長(代表)を務める企業について分析を行った。
配信元:日本人材ニュース
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