2023年度のコンプライアンス違反倒産は350件超、3年連続で前年度を上回る

2024年5月24日

2023年度のコンプライアンス違反倒産は350件超、3年連続で前年度を上回る

2023年度のコンプライアンス違反倒産は351件となり、前年度から 16.6%増加していることが、帝国データバンクの「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2023年度)」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)

2023年度に意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する「コンプライアンス違反」が判明した企業の倒産「コンプライアンス違反倒産」は351件を数えた。

2022年度から50件(前年度比16.6%)増加し、3年連続で前年度を上回り、比較可能な2003年度以降で初めて350件を超えた。

  • 【「コンプライアンス違反」倒産件数 推移】
  • 2016年  250件
  • 2017年  231件
  • 2018年  233件
  • 2019年  225件
  • 2020年  182件
  • 2021年  204件
  • 2022年  301件
  • 2023年  351件

業種別(大分類)にみると、「サービス業」が88件(25.1%)で最も多く、「建設業」が61件(17.4%)、「小売業」が57件(16.2%)と続いた。

  • 【業種別 「コンプライアンス違反」倒産件数】
  • サービス業   88件(25.1%)
  • 建設業     61件(17.4%)
  • 小売業     57件(16.2%)
  • 運輸・通信業  52件(14.8%)
  • 卸売業     46件(13.1%)
  • 製造業     30件( 8.5%)
  • 不動産業     9件( 2.6%)
  • その他      8件( 2.3%)

違反類型別にみると、「業法違反」が84件(23.9%)で最も多かった。次いで「粉飾」が81件(23.1%)と続いた。

「粉飾」は、コロナ禍前から増加傾向にあったが、2020年以降のゼロゼロ融資等の各種支援策の効果もあり、表面化しづらい状況が続いていた。しかし、アフターコロナで資金調達環境や経済環境が変わるなかで、再び増加傾向を示している。

また、コロナ禍の雇用調整助成金などの各種補助金・支援金の「不正受給」は前年度から2.5倍に急増している。

  • 【違反類型別 「コンプライアンス違反」倒産件数 上位5】
  • 業法違反    84件
  • 粉飾      81件
  • 資金使途不正  56件
  • 不正受給    30件
  • 雇用      16件
  • (その他    56件)

調査では、売り上げの架空計上や融通手形などの「粉飾」をはじめ、法律違反に伴い行政処分を受けるなどの「業法違反」、所得・資産の隠蔽などの「脱税」のほか、コンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2023年度(2023年4月~2024年3月)の同倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)について分析した。

配信元:日本人材ニュース

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