2019年10月16日
厚生労働省によると、労働基準監督署が長時間労働などの疑われる事業場に対して監督指導を実施したところ、約4割の事業場で違法な時間外労働が行われていたことが分かった。
2018年4月から2019年3月までに監督指導を実施した2万9097事業場のうち、労働基準関係法令違反があったのは2万244事業場(全体の69.6%)だった。
主な違反内容は「違法な時間外労働」(1万1766事業場、40.4%)、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」(3510事業場、12.1%)、「賃金不払残業」(1874事業場、6.4%)など。
違法な時間外労働があった1万1766事業場において、1カ月当たりの残業時間が最も多い従業員を確認したところ、6割以上が「80時間超」(7857事業場)で、そのうち5210事業場が100時間超、うち1158事業場が150時間超、うち219事業場が200時間超となっている。
業種別で違法な時間外労働が最も多かったのは「製造業」で2895事業場。次いで「運輸交通業」が2695事業場、「商業」が1715事業場と続いた。
◆違反事例
脳・心臓疾患を発症した労働者について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月80時間)を超えて、1カ月100時間を超える違法な時間外・休日労働(最長:月154時間)を行わせていたことが判明した。また、時間外労働および深夜労働に対する割増賃金について、一部未払いが判明した。(教育・研究業)
労働者8人について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月100時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月170時間)を行わせていたことが判明した。また、一部の労働者においてほぼ毎月100時間を超える時間外労働が認められ、36協定の特別条項で定めた限度時間を超えることのできる回数(年6回)を上回る時間外労働を行わせていたことが判明した。(その他の事業)
配信元:日本人材ニュース
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