2019年2月14日
2018年の全国企業倒産件数は前年比2.0%減となる8235件となったことが、東京商工リサーチの調査で明らかとなった。2009年から10年連続で前年を下回り、過去30年では1990年(6468件)、1989年(7234件)に次いで3番目に少ない水準だった。
2018年の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は8235件、負債総額が1兆4854億6900万円だった。都道府県別にみると、前年を上回ったのが26府県(前年18都道府県)、減少が19都道府県(同28県)になり、10年ぶりに「増加」が「減少」を上回った。
負債総額は前年比53.1%減(1兆6821億6800万円減)で、過去30年では1989年(負債1兆2322億9600万円)に次いで2番目に少ない金額だった。
この大幅減は、前年の製造業で戦後最大倒産となったタカタ(負債1兆5024億円)の反動減に加えて、負債10億円以上の大型倒産が198件にとどまり、1989年(166件)以来29年ぶりに200件を割り込んだことが影響した。
過去最悪だった2000年(23兆8850億3500万円)と比べると、93.7%減に縮小した。
倒産件数を産業別にみると、10産業のうち7産業で前年を下回った。
前年から増加したのは、サービス業他と小売業で、サービス業他は2512件(前年比3.2%増)で3年連続で前年を上回った。小売業は1132件(同1.3%増)で10年ぶりに増加に転じたことが注目される。小売業の内訳では、通信販売・訪問販売小売業(53→66件)、ガソリンスタンドを含む燃料小売業(30→41件)、食肉小売業(6→18件)などが件数を押し上げた。
一方、建設業1431件(前年比9.3%減)で10年連続で前年を下回った。製造業1014件(同2.5%減)と情報通信業337件(同0.5%減)は、ともに9年連続の減少。また、卸売業1216件(同4.1%減)と運輸業238件(同0.8%減)は、ともに6年連続で前年を下回り、金融・保険業34件(同22.7%減)と不動産業257件(同7.8%減)は、2年連続で減少した。
このほか、農・林・漁・鉱業が前年同数の64件だった。
倒産件数を地区別にみると、9地区のうち6地区で前年を上回った。
九州(前年比13.1%増)と中国(同0.9%増)がともに7年ぶりの増加に転じ、四国(同17.9%増)は4年ぶりに前年を上回った。また、中部(同4.5%増)と東北(同10.8%増)、北陸(同2.7%増)が揃って2年ぶりに前年を上回った。
一方、関東(前年比7.3%減)は9年連続の減少。近畿(同3.4%減)と北海道(同16.6%減)がともに2年ぶりに前年を下回った。なお、北海道は過去30年で最少件数にとどまった。
配信元:日本人材ニュース
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