2019年10月07日
マンパワーグループ 辺見 直紀 転職支援事業部長 兼 人材紹介事業部長
営業職の求人数・求職者数は、月々多少の変動があるのみで、昨年以降、安定的に推移しています。インサイドセールスを導入する企業が増加していますが、不動産や人材系のフィールドセールスの募集は活況です。未経験者が応募可能な案件も多いため、求職者の母集団形成も他の職種と比較すると難易度は高くありません。特に、販売職を経験した求職者の応募が多く見受けられます。
企業におけるオートメーション化は今後一層進み、営業においても、インサイドセールスを筆頭とするデジタルスキルの需要が高まるでしょう。マンパワーグループの調査(労働白書「人の力が求められている」)では、オートメーション化が進んだ結果、企業の従業員数を維持または増加すると回答した日本の雇用主は、全体の76%でした。この結果から、デジタル変革を推進している企業は、要員増強にも意欲的なことがわかります。
今後2年で大幅な要員拡充・削減を予定している部門を職種別でみると、「営業・接客」のポジションを増員すると回答した雇用主は16%(削減予定は3%)と、「製造・生産」ポジションの増員予定(25%、削減予定25%)に次いで、増員予定が多い職種でした。
この先、デジタル化が更に進んだとしても、高いコミュニケーション能力、交渉力、適応力などのヒューマンスキルが求められる営業の求人は、基本的には現状維持または、微増する見込みです。
企業が採用を成功させるためには、需要の高い人材に対する柔軟な給与の提示が必要となります。スキルへの需要が急速に変化する逼迫した労働市場では、必要とされる人材は強気です。
加えて、20代・営業未経験の求職者の多くは、基礎的なコミュニケーション能力は備えているものの、理解力、論理的思考力、論理的アウトプット力の向上が必要な傾向にあります。
企業においては、採用だけでなく人事制度設計、育成プログラムの構築が重要です。
配信元:日本人材ニュース
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