2月のトレンドワード
OKR
「OKR」とは、Objectives and Key Resultsの略で、「目標と主要な結果」と訳される目標管理方法の1つです。組織全体で挑戦的な目標を設定し、部門ならびに個人の目標とリンクさせて高い成果につなげることを目指します。目標設定・進捗確認・評価のサイクルを高い頻度で行うマネジメント手法として、1970年代にアメリカの大手半導体メーカーが初めて採用しました。さらに今では複数の有名IT企業が導入しており、日本でも新しい目標管理ツールとして注目されています。
■OKRの手順
①「目標」と「主要な結果」を設定する
組織全体で難易度の高い定性的な目標(Objective;O)を定め、定量的に計測できる2~3つの主要な結果(Key Results;KR)に落とし込む。そして、OとKRを、各部門→チーム→個人の順にトップダウンで設定する。
②期限を決めて実行する
週1回程度のチェックイン・ミーティングで進捗報告と確認を行う。
③成果の測定と評価を行う
目標達成の度合いは「SMART」の原則で測定する。
OKRとよく比較される目標管理の手法にMBO(Management by Objectives)があります。MBOは、社員自ら実現可能な目標を設定し、100%達成することが求められます。結果は業績評価と連動するので、社員の報酬や人事評価にも影響します。
一方、OKRで求められる達成度は60~70%とされています。結果は人事評価と切り離されているため、社員はやりがいのある大きな目標に挑戦することができます。組織全体の目標と個人の行動が同じ方向を向くと、組織と社員が一体になりやすく、エンゲージメントの向上が見込めます。また、実施期間が1~4か月と短いため、市場の変化に素早く対応できるのもOKRのメリットです。 しかし、社員は7割程度達成すればいいと思うとモチベーションが下がったり、高すぎる目標がストレスになる場合もあります。
OKR成功のカギは、上司の適切な関与にあります。頻繁なフィードバックを通じて部下の意欲を高める、あるいは四半期ごとに目標の妥当性を見直し、組織目標とずれていれば修正を行うなど部下の目標達成をリードすることで、チームの大きな成果につながります。
チャレンジングな目標を掲げ、組織の成長を加速させるOKR。皆さまも取り入れてみてはいかがでしょうか。
Pick UP
- 組織目標に基づいた、適切な部下の目標設定を学ぶ
- 部下のモチベーションを向上させ、より高いパフォーマンスを発揮できる状態にする
- 定期的な1対1面談を通して、自部署の目標や方向性を共有する
- 目標設定や部下指導、評価面談のポイントをアドバイスするサービス
- 評価者・被評価者双方に適切な目標設定方法を学んでいただく
- 評価者が「目標管理」「期中のマネジメント」「評価面談」の各場面で部下の成果を上げるスキルを習得する
- 「愛」のある人材教育と人事評価を同時に満たし、現場で役に立つ制度の構築を行うコンサルティングプラン