社外文書 ~求められるルールやマナー
新人向けビジネス文書
今回は、ビジネス文書テキストの6章から7章で扱っている「社外文書」について解説します。
1.社外文書に求められるルールやマナー
主な社外文書には報告書、送付状、招待状、案内状、お祝い状、お詫び状、お礼状、依頼状などがあります。
組織を代表して発信するため、社内文書に比べてルールやマナーにより注意して作成することが求められます。
特に紙媒体の文書は公式文書であるため、自組織のコンプライアンスルール順守が必要となります。
本テキストでは、まず社外文書の基本的構成を確認します。文書の発信日、宛名、発信者から始まり、標題、前文、主文・・・と続き、結び、担当者名で終える基本的体裁は、
視覚的にも見やすく、読み手が分かりやすいようになっていることが理解できます。
また、社外文書では、頭語・結語や時候・安否・感謝・結びのあいさつなど、様々な慣用表現を使用します。テキスト内にいくつかの慣用表現の例が掲載されているため、
実際に文書を作成する際の参考資料としても役立ちます。状況に応じて適切な文章を考える力につながるでしょう。
2.文書の目的から必要な情報や配慮を考える
社外文書を作成する際、どのような目的で相手に送付するのかを考える必要があります。文書の目的によって、どのような情報を文書に記載するべきかといったことや、
相手に対してどのような配慮が必要になるかが重要になってくるためです。
本テキストでは、文書ごとに必要な情報と読み手に対する配慮事項を分かりやすく記載しています。
例えば書類送付状の場合、封入物のタイトルや種類などを簡潔明確に箇条書きにします。書面の趣旨があいまいな場合は、先方から受け取りを拒否されることもあるため十分な配慮が必要となります。
また、招待状や案内状は各種行事をご案内しご招待する文書のため、まずは「行事の内容」「日時」「場所」を正確に伝えることが重要です。さらに、会場までの地図や交通案内を添えるほか、
相手の都合を考え発送は1カ月前から2週間前には先方に到着するように心がけるなどの必要な配慮がまとめてあります。
加えて、お祝い状、お詫び状、お礼状など、相手に対して喜びや謝罪・誠意、感謝の気持ちを伝える文書については、決まり文句をただ書き連ねるのではなく、
自分の言葉で気持ちを表現することが求められます。特にお詫び状は、当方のミスなどで先方に迷惑をかけたことに対し、ただ安易に謝るだけではなく、
先方との関係を今後いかに円滑にしていくかを常に意識しておくことが必要です。
テキスト内の解説や豊富な文書例などから文書ごとに求められる情報と配慮事項を理解し、組織を代表して相手に失礼のない文書が書けるようになります。
3.依頼状を作成する
テキストで学んだ内容をアウトプットするために、実際に社外文書として依頼状を作成する演習を行います。
依頼書作成演習では、ある会社の人事部社員として、外部に講演を依頼する依頼状を作成します。解答用紙にはあらかじめ依頼書の基本的構成が記載されているため、課題文の情報を整理し、
「標題」「演題」などそれぞれの項目の枠内を埋めていくことで文書を完成させます。
このようにして、まずは文書の基本構造を身につけることを目指します。同時に、必要な情報を簡潔に、かつ抜け漏れなくまとめる力も身につけることができます。