8月のトレンドワード
ラポール
「ラポール(Rapport)」とは、フランス語で「橋をかける」という意味の言葉で、もともとはカウンセリングにおける臨床心理学用語です。セラピストとクライエントとの間での、警戒心を解きリラックスした状態を意味します。
仕事におけるコミュニケーションを機能させるためには、相手の言いたいことを理解し、自分の話を分かりやすく伝える「情報伝達スキル」が欠かせません。しかし、その情報伝達スキルが機能するためには、相手との間に信頼関係、ラポールが築かれていることが大前提となります。ラポールが成立していれば、職場や営業の場においても人とストレスなく過ごせ、仕事の成果につなげていくことが可能です。
ラポール構築のために、ベースとなる基本的な姿勢は次の通りです。
① ありのままの自分であること (自己肯定)
② 無条件に相手を受け入れること (他者肯定)
③ 相手の気持ちと同化すること (理解)
さらにいくつかのテクニックを身につけることによって、より効果的にラポールの構築が可能になります。
① ミラーリング:相手の動きや姿勢を自然にまねて警戒心をとく。
② ペーシング:相手の話す速さ、リズム、トーンに合わせて、安心感をあたえる。
③ バックトラッキング:話を受け止めていることを、「繰り返し」で伝える。
④ キャリブレーション:相手が無意識に発するサインを識別する。
ラポールがあるコミュニケーションは、対外的な営業シーンではもちろん、ステークホルダーや異業種間の関係の向上にも有効です。職場内のメンタルヘルス対策や新人育成の環境づくりなどにも活かすことができます。
不安や緊張の多い社会情勢であるからこそ、人間関係は充分にリラックスして働けるよう、職場への導入をおすすめします。
Pick UP
- ラポールを実務的なスキルとして自然な人間関係に役立てる
- 仕事をスムーズに進める基礎「聴く」「話す」技術 を身につける
- 社会人として信頼を得るための必須の心得をしっかり学ぶ
- 顧客と信頼関係を構築し、ニーズのヒアリングや提案に繋げる
- ストレスと上手に付き合い、困難を乗り越えて成長する
- 相手に伝わる、端的で分かりやすい説明力を鍛える
- 相手の状況・気持ちを尊重しながら、自分の主張を正直に伝える
- 様々なタイプの部下に合わせた関わり方を考える