VUCA時代、主体性のない若手社員の問題は何か~社会人15年目のつぶやき
2022.02.22
- ビジネス
研修事業を行う弊社インソースは、よくお客さまから若手社員に関する悩みをお聞きします。その中でも「どうしたらいいですか?と自分で考えずにすぐに聞いてしまう若手社員」にお困りのケースが目立ちます。様々な組織が、うちの若手は“自ら”考え行動を起こす主体性がない、と課題意識を持っているのが実状です。
業務の目的と手段を正しく理解できているか
個別業務の主たる実行者である若手社員と、その個別業務を複数包括的に管理しているリーダー層・管理職層との間でしばしば起こりがちなのが、上記のような小さな衝突です。
このような事態に陥ってしまうのは、業務を「作業」としてメンバーに指示し割り振っていることが要因の一つだと考えられます。
①何のためにこの仕事をするのか?
②この仕事をすることで、組織やステークホルダーにどのようなメリットが生まれるのか?
③この仕事を完遂するために必要な材料や手順、注意すべき点は何か?
①②を説明せずに③だけを伝える指導が恒常化している場合、多くの若手社員はすべての業務を作業として認識してしまいがちです。成果物を正確に早く仕上げることだけに重きがおかれるため、前提条件が少しでも変わると、途端に正解を見失います。手段を目的にすり替えていないか、確認するようにしましょう。
目的が明確なら、応用もきく ~VUCA時代にも必要な考え方
上記で述べた、何のためにこの仕事があるのかという目的を明らかにすることは、新人から経営層までのすべての階層で求められる意識です。外部環境の変化が激しく、複雑で予測不能なVUCA時代においては、その目まぐるしい変化に柔軟かつ即時対応できる判断力・行動力を、管理職を介さずとも若手や中堅層が現場で発揮することが望まれます。その判断力・行動力の源となるのが、目的意識です。
クレーム対応にはお客さまのご不満をうかがって解消し、サービス改善につなげるという目的がありますし、手間のかかる顧客情報の整備はより良い営業活動の実現が目的です。このように、一般に嫌だな・手間がかかって面倒だなと思われている仕事にも、必要とされている相応の理由があります。
何のためにこの業務をするのかをしっかりと理解できていれば、その業務の進め方つまり手段を状況によって修正したり、イレギュラーな案件が発生した際の対応方法を考えたりという応用が可能になります。メンバーの考える力を養成するにあたり、自身の業務指示がそもそも適切かを振り返ってみることをおすすめします。
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