夏季休暇って休日?有休?どうやら会社によって違うらしい
2019.06.27
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もうすぐ夏季休暇。実はこの夏季休暇は会社によってかなりの違いがあります。あなたの会社は休日なのか有休なのか?ちゃんと理解していますか?また会社が夏季休暇を有休にする場合のルールがあるのを知っていましたか?大切なお休みについて確認しておきましょう。
休日・有休・夏季休暇、その意味は知っておこう
休みには休日と休暇、休業があることはご存じですよね。
休日・休暇には労働基準法で定められた法定という部分と、それ以外に会社が定めた法定外というものがあります。
法定休日/労働基準法で休日と定めている日(毎週1日か4週で4日以上)
法定外休日/会社が休日と定めた日
法定休暇/労働基準法で定めた休暇(年次有給休暇、生理休暇、産前産後休暇、育児・介護休業、子の看護休暇)
法定外休暇/会社が定めた休暇(慶弔休暇やリフレッシュ休暇などいろいろ)
休業/本来は出勤日でも会社側の都合で働けない日
ちなみに「法定」というのは労働基準法に定められているので「最低限保障された」となります。カンのいい人ならここですぐにわかりますよね?会社ごとの休日や休暇の差は「法定外」がものをいうのです。
そして、ポイントは「休日には労働の義務がない」、対して「休暇は本来は出勤日(労働の義務あり)に休む」ということです。
「夏季休暇」は有休?休日?実はよくわからない夏休み
本題に戻り、では夏季休暇は?まず夏季休暇は休日ではありません。休日にしてしまうと出勤したときに休日出勤割増が発生するので、まず休日に定める会社はないでしょう。
そして労働基準法に夏季休暇を与えなければならない!という言葉はないので、法定休暇でもありません。
実は夏季休暇は会社によって与え方にもかなりの違いがあります。
そもそも法定休暇ではないので、うちには夏休みはないよ!休むのなら年次有給休暇を使いなさい!といえばそれまでなのです。
とはいってもお盆休みは帰省や、ご先祖様に手をあわせましょうという長い日本の習慣から、また最近はワーク・ライフ・バランスの観点からも夏休みを「夏季休暇」として法定外休暇で定めている会社は多いです。
ただし、最近は旧盆にあたる8月13日から15日にするだけでなく、それぞれが希望日に休暇を取り、会社やお店は通常営業するといった取り方もかなり浸透しています。
いずれにしても会社にはメリットのない長期休暇をくれる場合は、会社が従業員の夏休みの習慣を大事に考えているということです。
夏季休暇が有休にすり替わる?年休が減る会社の謎
読者の一部には、夏季休暇を終えたら有休の日数が少なくなっていた!?と疑問に感じた経験のある人がいるかもしれません。
この場合、夏休みと思っていたのは年次有給休暇の計画付与日の可能性があります。これは、夏季休暇が法定休暇になるケースです。
労働基準法では個人が自由に取得できる日数を5日残せば、残りの年次有給休暇は計画付与ができる、となっています(第36条第6項)。
これには年次有給休暇の消化率の低さを解消する目的も含まれていています。
会社は労使協定(または過半数代表)によって従業員側と協定を結び、就業規則等で対象者へ日数・日程の周知をすることが必要です。
また、そもそも休暇のない従業員を計画日に休ませると休業となるため、最低平均賃金の60%を支払う必要があります。
もし、あなたの会社が説明もない、記載もないといった場合には、協定が結ばれていない会社の一方的な運用(違法)の可能性もあります(この場合は、一度会社に休暇の扱いを聞いてみるとよいでしょう)。
本音は夏季休暇に有休をつなぎあわせて長く休みたい
年次有給休暇は雇われている者が一定の条件を満たせば付与されるもので、労働基準法で守られている休暇です。
夏季休暇に有休をつなげてはいけませんという法的な定めはありません。
そうはいっても、休暇取得をしない人たちに囲まれていたりすると、ためらってしまう、後ろめたい気分になってしまうのが日本人。
しかし、年次有給休暇も時効は2年です。残日数が期間内に消化できず失効してしまうのはとてももったいないと思いませんか?
ここはちょっとしたコツで「ちょっと所用で…休暇中の引き継ぎは事前にしっかり行いますので」と休暇申請をすればよいのです。何も正直に休みの過ごし方を説明する必要はありません。
会社も正当な理由(正常な会社運営を妨げるなど)の場合には時季変更権といって、休暇取得の時季の変更を求める権利はもっています。本当に休まれると困る場合には日程の相談をしてくるはずですから、「すみません、お願いします」と謙虚に、上手に申請をしてみましょう。
夏季休暇の前にすること!上手に有休を楽しむポイント
夏季休暇につなげた有給休暇を取るときは、社内への事前アナウンスはもちろんのこと、休暇中に発生する仕事の引き継ぎを必ずしておきましょう。
引き受けた人がミスをしたという場合、引き渡した方の伝え方が足りなかった、相手の理解を確認していないなどの原因がほとんどです。
思わぬミスが発生し、休暇中に連絡がきたりするとせっかくの休暇も台無しです。そのようなことのないように、念には念を入れ引き継ぎの準備をすることが大切です。
また、不在中に受けたメールには、[急な用件は◯◯部署の△△へお願いします]と不在のお詫びと代行者を伝える自動返信を設定しておくこともお忘れなく。
有休前後の準備で楽しい夏季休暇を!
夏季休暇・有給休暇の前にはしっかり休む準備を整えましょう。
期間中に仕事を引き継いでもらうために説明する場合、“相手が分かってはじめて伝えたことになる”という気持ちがミスの防止、引き継いだ人の負担の軽減、無事に休暇を楽しむ秘訣になります。
そして、晴れて休暇を終えて出社したときには、周りへの感謝の気持ちを伝えることも忘れないようにしましょう。
配信元:日本人材ニュース