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これまでは懇意にしてきた自動車メーカーからのオーダーに倣った製品を作り納入することが自組織事業における至上命題であったのではないでしょうか。もちろん、その依頼に応えて納期に間に合うような生産体制を作ることは極めて重要です。ただ、イノベーションの動きが加速している自動車業界に追随するためには、積極的に新たなビジネスモデル・プロセスを取り入れていかなければなりません。自社の技術力を活かした新たな商品の開発や企画立案に挑戦できるよう、営業職から技術職まで職種に関係なく、一人ひとりが思考力や創造力を高めることが望まれます。

上記のような「新たな挑戦」は、経営ＴＯＰがその方針を掲げ、管理職層～リーダークラスが個別具体的な実践をしていくこととなります。実現には周囲を巻き込みプロジェクトを推進していく力・リーダーシップが不可欠です。個々のメンバーの自主性を引き出しチームの活性化を図るプログラムや計画を遅滞なく前進させる力を習得するもの、関係部門間の調整をしやすくするためのテクニックを学ぶものなど、多種多様な研修を取り揃えております。

ほとんどの製造業企業で「人が足りない、このままでは経営を維持できない」との声をうかがいます。これまでと同様にフルタイム勤務の男性社員で人員を構成しようとすると若手人材が集まらない、逆に若手～中堅の最も生産力がある層が離職してしまっている現状があるようです。自動車製造に関わる業界では、圧倒的に女性社員・女性の管理職登用比率が他業界に比べ低く、継続的な事業の成長を図るにあたっては、組織に所属する人材の多様性、つまりダイバーシティ推進が欠かせません。女性が働きやすく意見を上げやすい職場は、シニアや外国籍メンバー、障害のある人材を受け入れやすい環境の素地があります。これまでのマイノリティ社員が大きな変革アイデアをもたらしてくれる可能性は大いにあるのです。

新しい商品を作るためには、膨大な時間と費用がかかることから、データを解析して材料を選定するマテリアルズ・インフォマティクスが注目されています。開発にかかる時間・人手・材料費などのコストを削減でき、品質計画の精度を上げてそれに基づいた生産指示情報も現場に迅速に、正確に伝えられるような仕組みを構築する動きが高まっています。ノウハウを属人化させず「仕組み化」することは、先述の労働力不足を補ううえでも有用です。Pythonなどのプログラミング言語やデータ分析力、AI開発のスキルをもつＩＴ人材の育成が求められます。