研修を語る

(成長企業向け)人材活躍を考えるワークショップを語る

2024/05/22更新

(成長企業向け)人材活躍を考えるワークショップを語る ~働く楽しさは自分たちでつくっていく

働きやすい職場とは何かを全社で考える

―本研修は人材活躍のために企画されたとのことですが、同じテーマの教育商材はほかにも数多く存在します。その中で、こちらはどのような特色がありますか

おっしゃるように人材活躍というテーマでは、様々なアプローチの研修があります。本プログラムでは、「相手への親切、気づかいの大切さに気づく」という点を重視し、従業員が長く活躍できる働きやすい職場とはどのようなものかを、受講者に考えてもらうように企画しました。

また、基本的に会社の皆さんに一斉にお受けいただくこともこの研修の特色のひとつです。一般的な研修は階層や受講対象を絞ったものが多いですが、こちらは役職や社歴、部署などの垣根を超えて、みんなで自分たちが所属する組織について共通の認識を持つことがねらいです。

―では、様々な企業から受講者が集まる異業種交流型の公開講座ではなく、講師派遣型で運用する研修ですね

そうです。実施時間は半日ですから、他の研修と組み合わせることで、社員同士の交流をさらに深めてその組織に必要な部分を強化するなど、ご希望に合わせたアレンジも可能です。

―テキストを見ますと、離職防止につながるヒントが随所に盛り込まれています。居心地の良い会社であれば離職率が下がる、そのためには全社で人間関係を考えていくことが大切、ということですね

その通りです。どんな企業でも、離職率がなかなか下がらないことは大きな課題です。この研修では、現在の従業員にとって働きやすい環境を作ることに加え、どうすれば入社・入職者が長く活躍できるのかということについても知恵を出し合う機会として実施いただくのがよいかと思います。

―職場環境改善と離職防止、人材活躍の2本柱とも言えるテーマが組み込まれているのですね。しかもそれを、管理職だけでなく全社で考えるというところが従来にないコンセプトだと感じました。

職場での親切や気遣いの重要性

―職場の雰囲気があまりよくない、一体感がほしいという組織におすすめとのことですが、職場の雰囲気がよくないというのは具体的にはどのような状況を示しているのでしょうか

会社によって様々な状況が考えられます。例えば弊社で中小規模のお客さまを中心にお話を聞かせていただいた際に多く聞かれたお悩みが、社員構成に関するものでした。上級管理職など年代の高い社員と若手など、社員間でかなりの年齢差がある企業においては、コミュニケーションが難しいという声が増えます。この研修ではそういった職場内の課題をどう改善すればいいかを話し合います。

―多くの研修では役職や立場ごとの事例を挙げて解決策を学びますが、全ての立場の人たちが同じ課題について話し合い、答えを見つけていくスタイルは新しいですね。同じ組織でのディスカッションであれば、個別具体的な問題にも切り込んでいけそうです

従業員数が300人以下、いわゆる中小企業といわれる組織をイメージして開発したプログラムなのですが、その規模だからこそ全社で認識を統一できるという強みがあることに気づいていただきたいです。皆さんで受講いただく前提にしているのは、研修による意識統一の効果を最大化するための工夫です。

―従業員全員で受けるとなれば、実施運用が難しそうです。インソースの他の研修は20~30名での開催をおすすめしていらっしゃいますが、従業員300名で実施となった場合は、回数を増やして受講者を分けるのでしょうか

ケースバイケースです。人数の多い企業の全社員であれば、ランダムに20名前後にその方たちを分けて集合してもらい、それを数回繰り返すこともできますし、物理的に集合するのではなくオンラインで一斉にご受講という形でも実施可能です。ご希望に合わせてフレキシブルに対応しますので、ご相談いただければと思います。

―それなら安心ですね。ちなみにこの研修を受けて得られるメリットやベネフィットで、最も大きいのはどういった点でしょうか

到達目標は「職場での親切や気づかいの大切さを知り、自身でできることを考える」ということです。もちろんその他にも、職場の改善や日々のコミュニケーション・チームワークのポイントなど、重要な要素はたくさんあります。

従業員の方々が改めて向かい合い議題を共有することで、コミュニケーションが活性化し、結果として認識の統一も期待できます。研修で学んだことを「あの時はこういう事を話したよね」というように、社内の共通言語として活用しながら、職場の雰囲気を良いものにできるようお役立ていただければ嬉しいです。

ディスカッション重視の参加型ワーク

―この研修全体を通じて、核となる項目がありましたら教えてください

先ほど到達目標として述べた、親切や気遣いの部分は、しっかり学んでいただきたいところです。職場で相手を気遣いながら行動することや、楽しく働くためにできることなど、皆さんの中にあるアイデアを洗い出すワークをたくさん盛り込みました。

それらを考え、自分の中から引き出してもらうこと、さらには皆さんで共有してもらうことがこの研修の目的です。自分たちで変えていけるんだ、楽しいことや面白いことは実現できるんだ、と自信をつけていただきたいというのも私たちからのメッセージです。

―ワークのお話が出ましたが、タイトルにワークショップとあります。半日研修で6つもワークがあるのは、通常よりかなり多めですよね

はい。通常弊社が企画している研修よりもワークに割く割合がさらに高いです。世代間で意見交換する機会の少ない会社や、活発な雰囲気ではない組織でも、研修でディスカッションをすることで、活発なコミュニケーションの糸口が見つかる可能性があります。

―講義スタイルではなく参加型ということですね。他にはないユニークなワークですとか、独自に企画された演習などはありますか

相手を気遣う・職場を楽しくするといったキーワードは、一般的なビジネス研修では扱わないものだと思うので、これらがインソースならではのワークではないでしょうか。また、研修後半に出てくる「チームワークで経験の差を補う」というワークも独自性が高いように感じます。ここでは情報共有の実践的な方法を、各自で描き出していただきます。

視点の違いから新しい発見が得られることも

―4つの章それぞれについてうかがいます。まず、先ほど最も重要な項目として挙がった親切・気遣いについて述べられているのが第一章です。これらの概念は人によって受け止め方が異なると思いますが、どのように理解を深めていくのでしょうか

「親切にしましょう、気遣いが大事です」と抽象的に表現するのではなく、具体的な方法をお伝えします。例えば挨拶や話を聞く時のポイント、うっかりしてしまいがちなNG行動、職場の雰囲気をよくする雑談などにも触れています。

また、ミーティングや勉強会などの企画、交流を促進する職場レイアウトなど、自分が主体となって行動するアイデアもご紹介しますので、その中で、これなら自組織でも取り組めると感じられるヒントが見つかるのではないかと考えます。

―従業員の年齢差がコミュニケーションの障害になっている組織のお話をうかがいましたが、そのような職場ですぐに取り入れられそうなアイデアですね。ただ、年代によって親切や気遣いの価値観は違うので、そのあたりのすり合わせが難しそうです

そうですね。どんな組織でも年代差で価値観の違いは当然あるものです。「うまく話ができるかな」とご心配かと思いますが、インソースでは、ファシリテーションスキルの高い講師を派遣しておりますので、どんな職場の方々にも活発にコミュニケーションできるように適宜フォロー可能です。ご安心ください。

普段一緒に働いていても、通常とは異なる環境での話し合いの中から「年上の方はそう思うのか」「若手の視点に気づいた」など、新しい発見が得られることも多く、交流が生まれるメリットは大きいといえるでしょう。

―同じテーマについて話し合っていても、年代や階層、立場によって考えに違いがあることを発見できるのは意義がありますね

そうですね。それぞれ全く違う目線で話をされると思うので、様々なバリエーションの話題が出てくるのが面白いです。無理して意見を合わせる必要はありませんし、お互いがお互いを尊重したうえで自由に発言して、それが新しい気づきにつながれば大成功です。

―第2章は、ビジネス研修でよく取り上げられる「自己開示」について学ぶ章ですが、テキストの中に「自分カルテ」という記入表があります。これはどのような効果を狙ったものでしょうか

自分カルテは、弊社の他の研修でもご紹介しています。子育て世代で時短勤務をしている社員などの制約がある中で働いている人たちが、上司に向けて「ここまでなら対応できる」という就労に関する情報開示のためのツールとして活用できるものです。

こちらはどなたでも使っていただけますし、可能な範囲で情報を開示しておくことで、互いの理解が深まり仕事を進めやすくなります。研修の中では参照いただくだけにとどめていますが、活用を推奨しています。

―組織によってカスタマイズして使用できそうですね。この第2章の最も重要なポイントはどこでしょうか

まずは「自分を知ってもらう」ということです。この研修は個人ワークのあとにその内容をお互いにインタビューする形式を取っていますが、世代や立場が違う人たちはもちろん、同僚同士でも意外と知らない一面が見えることも多いです。ぜひこの機会に自分と相手を知ってもらえたらと思います。

個人の能力や情報を「見える化」しよう

―第3章では「見える化」を掲げています。よく業務効率化や収益アップなどのビジネス研修で聞く言葉ですが、人材活躍にも役立つのでしょうか

職場の皆さんはひとつのチームとして、組織的に仕事を進めていくわけですが、全員が同じスキルをもって同様の仕事ができるわけではありません。経験が浅い人がいれば長い人もいて、それぞれ得意分野も違います。

そこで、個人ごとに「これができます・これならこのレベルまではできます」などと情報を「見える化」して把握しておくことで、仕事全体を見渡した時に誰がその業務をカバーできるのかを明確にできます。その結果、仕事の進めやすさが改善されるなどの効果が期待できます。

―スキルの見える化ですね。納得しました。この第3章の重点事項はどこでしょう

チームワークで経験の差を補うための「ノウハウとして知りたいこと、相談したいことを考える」というワークがありますが、情報共有で知識を補填することが目的です。ここが一番の肝ですね。

先述の自己開示と同じく弊社の研修の中ではよく出てくるキーワードのひとつなのですが、特定の誰かだけが持っている知識や情報を共有することで、全員が持っていることに近い状態にしていきます。

―最後の第4章ではどんなことを学ぶのでしょうか

第1章から第3章まで働きやすい職場とは何かをじっくり考え、この章ではそれらを実現していくためにはどうするかをお伝えします。職場を楽しくして働きやすくするといっても、仲良くなるだけではだめですよということを改めてお伝えし、組織全体が成長していくために必要なことを認識いただいて、組織に取り入れてもらいたいですね。

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