研修を語る
2024/05/21更新
ファイリング研修を語る
【ニーズ】
情報量の増大、特に電子データの普及に対応することが重要
従来よりファイリングは、書類の保存期限に関する法的な規制への対応として関心を集めていました。例えば、時効との関係で保存期限を伝票類は10年、税務に関する書類は6年、などと定めています。現在では、それに加え、情報量の増大と電子データの普及という社会背景から、次のようなニーズも生まれています。
①情報量の増大に伴うデスクワークの効率化
「情報化時代」と呼ばれるように、現在は情報であふれています。そして、これらの情報を有効に使えるか否かが会社の命運を分けるといっても過言ではありません。そこで重要になってくるのが、膨大な情報をいかに活用するかということです。このような観点から、ファイリングの重要性に関心が持たれるようになりました。特に、デスクワークの仕事について、多くの企業ではルールがありません。デスクワークと密接不可分なファイリングについても然りです。
②電子データの普及による整理の見直し
現在は、紙媒体ではなく電子データも急速に増えています。この電子データは紙のデータと同じように扱ってよいのか、それとも異なるのか、定められたルールがないためわからないという現場のニーズもあります。
【効果】
整理力、業務改善スキル、そしてリスクマネジメント力の向上
①整理力の一環としてのファイリングスキル
ファイリングの基本スキルを、自分の業務に的確に適用できるように
します。
②業務改善スキル
ファイリングをきっかけに業務改善を図るようにします。
③リスクマネジメントスキル
ファイリングの観点からリスクの洗い出しができるようにします。
【特徴】
「なぜ」を重視した実践的プログラム
①「なぜ」を重視
何のためのファイリングか、ファイリングにおけるリスクはあるか等、単なるテクニックだけでなく、本質的な問題を考えていただくことで、より理解を深めることができます。
②実践的プログラム
基本スキルを学び、演習で試すことの繰り返しによって、実用的な力を身につけることができます。
【重点ポイント】
ファイリングの効果の体得と組織的な取組み
ファイリングの効果の体得と組織的なファイリングの重要性について習得します。一人ひとりの観点ではわずかな効果しか生み出さないかもしれませんが、それが組織全体で積み重なれば大きな効果がある、ということを実感していただきます。
例えば、ファイリングをすることで、書類を探すコストや保管コストを削減できます。その額を、簡単な計算式によって試算した場合、社員・職員規模が1万人くらいになりますと、年間数億円にものぼることが分かり、その効果を実感できます。結果的に、組織的にファイリングに取り組むことの重要性を認識することができます。
【研修の流れ】
座学→ワーク→座学→ワークの流れで行う
①ファイリングとは
ファイリングについて困っている点、ファイリングの狙いを自分ないしグループとして考えます。
②ファイリング・ルールの基本
ファイリング管理にはフレームワークがあります。また、ファイリングは日々継続し、その都度チェックしていく必要があります。この「フレームワーク」と「チェック」が簡単にできるルールでないと、3日坊主になりかねません。どのようなルールにすればよいかについて解説します。また、重要となる、法的な保存期限についても説明を行います。
③ファイリングのリスク・マネジメント
ファイリングが不適切な場合、どのような問題が生じるかについて考えます。実際に起こった例を紹介し、その後自分の職場で想定されるリスクについて考えます。
④ファイリングの事務手続きと改善
ファイリングに伴う事務手続きは業務改善の宝庫であることを解説し、自分の職場のファイリング改善について考えます。
⑤ファイリングの周辺
最後に、電子データのファイリングを中心に、紙データと比較しながら検討します。
【演習】
なぜファイリングを行うかワーク
ファイリングを、自分たちの問題として意識してもらうためのワークです。当事者意識がなければ、いくらよいことを学んでも他人事になってしまいます。 そこで、自分もしくは自分たちはなぜファイリングをすべきなのかを考えるワークを行うことで、当事者の視点に立つことを目指します。
具体的な進め方は、次のとおりです。
①ファイリングの課題点の洗い出し
課題を明確にすれば、課題解決にもつながりやすくなります。
②ファイリングによる効能:「チリも積もれば山となる」
たとえ一人ひとりの効果はわずかでも、組織全体で取り組めば大きな改善がみられるということを、ファイリングに伴う書類探しコストや書類保管コスト削減の効果を試算してもらうことで、気づいていただきます。
③ファイリングの狙い
自分もしくは自分たちにとってのファイリングの狙いを定め、当事者として考えていただきます。
職場におけるファイリングの現状分析をするワーク
すべてのファイリングの現状について検討することは大変なので、ここでは職場のファイル管理簿の現状を分析していただきます。 なぜなら、ファイル管理簿は、書類の分類ができているか否かが一目で判明するため、現場でファイリングできているか否かを知るよい物差しとなるからです。また、そこからファイリングが仕事と密接不可分になっているか、効率化やリスクマネジメントがされているか否かも知ることができます。
自分の職場を振り返り、ファイル管理簿がない場合は作成、ある場合は見直していただきます。
その際にポイントとなるのは、次の2点です。
①使いやすい形に整理
ただ整理・保管するだけでなく、自分や他の人が後からでも使いやすいような形に整理することが大切です。
②書類を残すための基準作り
使いもしない書類まで整理するのはきわめてナンセンスです。そこで書類を残す基準を作ることも重要となります。本当に重要なものしか残さないためには、場合によっては、「疑わしきは捨てる」という勇気をもつことが大切です。「疑わしきを残して」いたら、結局全て残すことになりかねません。
【演習】
ファイリングの改善対策を検討するワーク
ファイリングに関連して仕事を見直し、改善企画を立案していただきます。
具体的な進め方は、次のとおりです。
- ①まず、ファイリング改善対策にかかわる事柄を洗い出します。
- ②①で洗い出したものを、企画案の形にまとめます。
- ③企画案を提出するにあたり、想定される批判とそれに対する説得の仕方を洗い出します。
改善すべき点が改善されずに残っているということは、改善する上で何らかの障害があるということです。そこで、どうすれば改善案に納得してもらえるか、想定される批判とそれを乗り越える説得の方法も考えていただきます。
【ひと言】
整理力研修につながる研修です。
本研修を終了した後は、整理の観点から、ファイリングスキルを中心とした身の回りの整理から仕事の整理・頭の整理に進むと効率的です。
そこで、整理力研修をフォロー研修とすることをご提案いたします。
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