研修を語る
2024/07/18更新
ビジネスゲーム研修を語る
「気づき」のある体験型研修が人気!
グループ型の体験型演習やビジネスゲームのニーズが増えてきています。実際、お客さまに研修を提案する際にも、「実際に体験してみることで『気づき』を得られる方法はないですか?」とよく尋ねられます。
研修ご担当の方が、「自分でやってみて感じる」という有効性を追求されているのではないかと思います。
体験型演習ならではのゲーム性
講師が受講者に一方的に講義する、いわゆる「お勉強スタイル」よりも、自主的に動いて「気づき」を得る中でノウハウを習得していく方が、世の中の流れに受け入れられやすいでしょうし、何よりも受講者に実感が残ります。実際、記憶にも残りやすく、受講者に対するインパクトは大きいと考えます。
受講者の中には、現場業務が忙しい中、いやいや研修を受講される方も少なくないと思います。体験型演習の「何か面白そうだな」と感じさせるゲーム性は、受講者のモチベーションの高まりにも自然とつながります。受講者の雰囲気も一気に和みます。
ゲームを通じて、一つの目的に向かってメンバーと協力する中で連帯感も深まっていくため、新人研修の初回には最適の研修です。また、民間企業だけでなく、自治体からの実施のご要望も増えてきており、ビジネスゲームに対する関心の高まりを感じます。
当たり前のことを伝える研修=≪ビジネスゲーム≫
「体験型研修」という定義にもいろいろあると思います。例えば、コミュニケーションスキルやビジネス文書スキルは、ロールプレイングや演習を繰り返すことでスキルアップを図ります。これも広義の「体験型研修」です。自ら考えながら、そして、体験しながら課題を発見し、克服していくのです。
この手法は弊社の全ての研修で取り入れています。研修中に学んだ知識を活かしながら、どんどんステップアップしていくので、受講者の方々に「うまくできるようになった」という実感を得ていただくことができます。
例えば、「ルールを守りましょう」「リーダーシップを発揮して仕事をしましょう」と言葉で言うだけでは全く意味がありません。当たり前のことだからこそ、伝わりにくいのです。一方で、ビジネスゲームを通じて「ルールやリーダーシップの大切さ」についての「気づき」を得た後だと、この言葉が響いてきます。
例えば、ビジネスゲーム「ドミノインテリア」では、チームで協同作業するためにルールをチームメンバーで共有し、それを全員で徹底することが重要な要素になります。「ルールの共有と徹底は大切です」と座学で強調してもそれほどインパクトはありませんが、ゲームで実際にその重要性を体験することにより、この言葉が心に響くのです。
「ドミノインテリア」の概要・ねらい
「ドミノインテリア」は、牌を並べていき、それを倒して遊ぶ「ドミノ倒し」で知られるドミノ牌を積み上げるゲームです。受講者の方が、インテリア製品の製造販売会社の「営業」と「製造」のメンバーとなり、お客さま(講師)から、積み上げるドミノの形や配色を指定された製品を制限時間内に数多く作ることを目指していただきます。「チームビルディング」を大きなねらいとしていますが、その他にも、
- ・「チームワーク」
(メンバー同士でコミュニケーションを深め、意思疎通を図っているか) - ・「計画性」
(効率的に作業するためのルールを作り、守れているか) - ・「リーダーシップ」
(チームメンバーの合意のもとで意思決定しているか) - ・「タイムマネジメント」
(制限時間内に作業を終えているか) - ・「目標設定」
(目標達成に向けて、工夫や努力をしているか)
など様々な研修の要素が入っています。
ドミノを積み上げる方法はチームによって違います。最初に土台を一気に揃えていくチームもあれば、一つひとつ完成させていくチームもあります。この「ドミノインテリア」研修を設計した当初は、土台を一気に揃えてしまう方法を想定していなかったので、 実際に研修で、半分くらいのチームが土台を一気にバーッと作り始めたことは想定外でした。
また、制限時間内で積み上げられる個数は9個くらいだと予測していたのですが、10個以上の土台を一気に作り始めたチームがありました。しかし結局は、土台を作ったものの未完成のものが多く残り、目標の9個に達しない結果になりました。失敗したチームは、2回目から作戦を改善して、やみくもに土台を揃えるのではなく、目標を何回かに分割して土台作りをしました。
このように一度失敗して、その改善策をチーム全体で考え、それをまたチーム全体で実行していく点も本研修の醍醐味です。チームでは、ドミノを積み上げる前に、「いくつ作るか」の目標を決めて、その目標を達成できるよう作戦を立てます。ゲームは3回繰り返しますが、受講者は課題を発見し、克服しながら2回目・3回目と改善を積み重ねていきます。
また、ドミノを積み上げる際にはお客さま役の講師から、その形や配色について指示がある他、「1人が連続して2段以上積み上げられない」というような制限があります。つまり、複数人で効率良く作業を行うために、チーム内でルールを設定する必要が出てきます。ゲーム終了後には、「設定したルールは作業の進行を早めるのに有効であったか」「みんながルールを守れていたかどうか」などを振り返ります。良い結果を収めるチームは、チーム全体でルールの統一ができており、全員がルールを守って作業をしています。さらに、「ドミノが途中で崩れた場合は、見放してそのままにしておく」など、リスクが起こった際のルール設定まで決めているチームもありました。
チーム内での情報共有やルールの策定、一つのタスクに共同で取り組むなど、「チームビルディング」や「リーダーシップ」など、「現場」で活きる気づきが得られる場面がこのゲームの中にはたくさんあります。
ビジネスゲーム研修には、「ドミノインテリア」の他に「ドミノハウス」「ドミノ電鉄」があります
・「ドミノインテリア」
前述のように、制限時間内に指定された製品を、協力しながらできるだけ数多く作ることを競います。 タイムマネジメントやチームワークなどの能力が求められ、物事を効率的に行う力を鍛えます。
・「ドミノハウス」
ドミノ牌を使って何を作るかはチームの自由ですが、できるだけ多くのお客さまに購入してもらえるような魅力的なハウスを作ることがチームに課せられたミッションです。チームで相談・協力し、「どんな家を作ったらいいか」を考え、メンバーの意見を取りまとめながら設計・試作してみます。そして、完成したドミノハウスのデザインや形のこだわりなどをプレゼンして、より多くのお客さま(他のチーム)に買ってもらう(評価してもらう)という流れとなっています。単にドミノを積み上げて「できました」ではなく、「色使い一つひとつにどのような意味があるのか」、さらに「その商品にはどのようなストーリーがあるのか」という思いを組み入れていくことが大切です。
・「ドミノ電鉄」
「ドミノ電鉄」には2種類あります。ひとつは、完成図を見て記憶し、制限時間内にその図と同じものを再現するというチーム対抗戦です。その地図を見ることができるのはひとり一回と決まっているので、記憶力や観察力、作戦作り(どういう手順で作業を行うか、など)が重視されます。もうひとつは、クラス全体が鉄道事業者となり、都市開発を行いながら鉄道を開通させるゲームです。具体的には、指定された条件を満たす「まち」を作り、鉄道を走らせる(「ドミノ倒し」を完成させる)状態を目指します。全社バリューチェーンの認識、前後工程への配慮感謝を学ぶことができ、クラス全体での一体感を得るのに非常に有効です。
求める研修効果に当てはまるビジネスゲームを選択していただいています。ぜひ、ご検討くださいませ。
オンラインで実施するビジネスゲームもあります
リモートワークや在宅勤務などの勤務形態が広がり、オンラインでコミュニケーションを取る機会も多くなって参りました。 オンラインでのビジネスゲームを通じて、チームワークを発揮するために求められる姿勢・相手に伝わるコミュニケーションのポイント・振り返ることの大切さを学んでいただけます。
・「壁紙をデザインする」
<設定>
皆さんは設計事務所の建築士の卵で、現在修行中です。
壁紙の設計図を見て、その通りに作成するようにと上司から指示がありました。
<流れ>
①役割を決め、戦略を練る
リーダーやタイムキーパーなどの役割を決め、どうすれば早く、品質基準をクリアした壁紙を作成できるか戦略を練ります。
②ホワイトボードに作画(1回目)
できるだけ早く、壁紙を描きます。
③作戦タイム
1回目を踏まえて、より早く作成するための戦略を練ります。
④ホワイトボードに作画(2回目)
1回目より早く作成できるようにします。最も早く作画できたチームが優勝です。
<壁紙の設計図の例>
<ポイント>
ルールおよび品質基準を遵守しながら、いかに効率よく成果物を仕上げられるか、そのために必要なチームワークと戦略を話し合いによって考え、実行いただきます。1回目作成後、振り返りをしていただき、2回目実施につなげていただくことで、PDCAの回し方を体感します。
・「理想のマイホームを描く」
<設定>
あなたは、設計事務所の建築士です。理想のマイホームを作りたいというお客さまに対して、
お客さまが望む「理想のマイホーム」のイメージを具体的にして提案します。
<流れ>
①マイホームのコンセプトを決める
マイホームのコンセプトを一言で表現します。
②マイホームのイメージを固める
コンセプトを実現させるために必要なものを考え、グループのメンバー同士で、マイホームのイメージを共有します。
③役割を決める
営業担当と製作担当の役割を決めたうえで、どのように効率よく魅力的なマイホームを描くのか戦略を立てます。
④マイホームのイメージをホワイトボードに作画
お客さまからのオーダーの内容に沿って、ホワイトボードに「間取り図」を作成します。
⑤プレゼン大会
全体の前でプレゼンします。他のチームが発表する時には、各自チェックシートに記入して採点します。
⑥投票して、1位を決める
他のチームのプレゼンを採点表にしたがって、評価します。
<実際の成果物の例>
<ポイント>
チームでひとつの成果物を作り上げるために、メンバー同士で議論しながら、時間内にミッションに取り組みます。ゲーム①で明らかにした改善箇所を踏まえ、チームの行動を俯瞰し、自身の行動を修正しながら、目標達成を目指します。
オンラインとオフラインの両方のメリットを取り入れることにより、距離の制約がない環境やデジタルツールを活用した、最適な場で目的を達成させることが可能になります。ぜひ一度、オンラインの学びの可能性に触れてみてください。
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