研修を語る
2024/05/21更新
管理職の「部下の文書指導」について語る
部下の書いた文書が分かりにくい?
「社員・職員の書いた報告書の内容が分かりにくい」「お客さまから社員・職員の書いた文書に対するクレームが来た」といったことはありませんか。 もちろん、内容に問題がある場合もありますが、ビジネス文書を書く力が欠けていることが多いのも事実です。
実は、文章力は簡単に伸ばすことができます。「書く」ことが上手にできれば、結果的に報告能力や仕事の手順の効率化など、業務遂行能力の向上にもつながります。文書作成は仕事の基本です。
今回は管理職の方が、部下の文書指導ができるようになるポイントを説明します。
書き手の立場が明確である
文書を書く上で、最も大切なのは、文書の書き手である自分の立場が意識できているかどうかです。この視点が欠けていると、どんなに美しく、内容が素晴らしい文書でも、使えない文書となってしまいます。
実際「部下の文章が下手だな」と感じる場合は、文法がおかしいというより自組織の立場を分かってないという場合が多いように思います。 部下に文書指導をする際には、必ず書き手(自組織)の立場や書く目的が何なのかをしっかりと確認する必要があります。
読み手の理解の流れに沿った文章を書く
内容に関しては、「話の流れ」がスムーズに頭の中に入ってくる文章が求められます。例えば、稟議書や申請書など、日常で目にしているものと同じ順序・流れで書かれた文章が、一番理解しやすいものです。
なぜ理解しやすいかというと、これらの書類は論理的に展開されていて、内容を整理しやすいからです。例えば、稟議書や申請書は、「件名」「ねらい・理由」「詳細内容」「費用対効果」「リスク」「スケジュール」等が順番に書かれていて、一目でどういった内容なのかが分かります。ですから、他の報告書を書く際にも、「稟議書や申請書と同じような順番や論理構成であるか」ということを意識して書くようにしましょう。
これは、組織内だけでなく、営業の現場でも有効です。提案書を作る際には、提出先の書式、流れを踏まえて作成すれば、案件が取れる可能性は高まると言えるでしょう。
定型フォーム(雛形)を用いて文書を短時間で作成
とは言え、現場では仕事に追われ、しっかりと文書指導をしている時間はなかなかありません。即効性を求めるためには、文書の作成方法を標準化していくことが有効です。日常の仕事は、日々、100%新しいことを行っている訳ではありません。職場では、毎日似たような文書を、パソコンを使って作成することが多いと思います。ですから、職場全体でよく使うビジネス文書を分類し、正しい定型フォーム(雛形)を作ってしまえば、次回、文書を作成するときに、短時間で効率的にビジネス文書が作れます。
職場に決まった雛形がなく、毎回担当者が時間をかけて作ったり、前の担当者から引き継いだ、間違った雛形を使っていることも少なくありません。一例として、弊社が作成している雛形をご紹介させていただきます。
チェックシートを使って部下の文書を指導
部下の文章力をアップさせるためには、部下に自分で考えさせることも必要です(指導しても、指摘したところを訂正した通りにだけ直してくる部下もいます)。部下の文書を簡単に評価し、問題点を部下自身に気づかせるためには、チェック項目を箇条書きにしたチェックシートを用いて、文書添削をすることが有効です。
指導するためには自己研さんも必要
文書指導にあたって、まずは管理職自身が良い文章、正しい文書を書けなければなりません。また書き方についての知識を持っておく必要もあります。それらができることで、正しく部下に文書指導することができます。 そのためには、過去の経験から"これが良い文書だ"という文書を認識し、それを言葉にして説明するトレーニングや、良い文章を書くために、新聞コラムなどを要約する訓練などが有効です。そのように自分で練習を重ねることも大切です。 また、客観的な視点で自身の作成した文書が良いかどうかを判断して欲しい方は、弊社のビジネス文書研修を受講されてはいかがでしょうか。
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